総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、2025年に働いている65歳以上は943万人で、22年続けて増えています。

働いている方の割合を年齢の階級ごとにみると、65〜69歳が54.5%、70〜74歳が36.2%、75歳以上が12.6%でした。3つとも過去最高です。数字の並びだけを見れば、いちばん働いているのは65〜69歳ということになります。

ところが、この10年でどれだけ増えたかを見ると、順番が入れ替わります。伸びが大きいのは65歳代ではありませんでした。

今回は、公表されたばかりの就業率を年齢の階級ごとに確かめたうえで、働き方の中身が10年でどう変わったのかをみていきましょう。あわせて、雇われる形ばかりではないことも確かめます。数字はいずれも全国の平均です。

1. 65歳以上の就業率は26.0%。65〜69歳・70〜74歳・75歳以上の3つとも過去最高

まず全体から確かめます。令和8年9月20日に総務省統計局が公表した統計トピックスによると、2025年の65歳以上の就業率は26.0%でした。前年に比べて0.3ポイントの上昇です。65歳以上の人口のうち、およそ4人に1人が働いていることになります。

ここでいう就業率は、65歳以上の人口に占める65歳以上の就業者の割合を指します。

年齢の階級ごとにみると、それぞれの人口に占める就業者の割合は次のようになっていました。

1.1 年齢別の就業率

  • 65〜69歳 54.5%
  • 70〜74歳 36.2%
  • 75歳以上 12.6%

3つとも過去最高です。65〜69歳は比較できる1968年以降で、70〜74歳と75歳以上は1978年以降で、いちばん高い水準になりました。

65〜69歳は半数を超えていて、70〜74歳も3人に1人を上回ります。75歳以上でも8人に1人ほどが働いている計算です。年齢が上がるにつれて割合は下がりますが、下がり方は一定ではありません。65〜69歳と70〜74歳のあいだが18.3ポイント、70〜74歳と75歳以上のあいだが23.6ポイントで、後半のほうが落ち方は大きくなっています。

65歳以上の年齢階級別就業率(2025年)1/2

65歳以上の年齢階級別就業率(2025年)

出所:総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」(統計トピックスNo.149)図6 をもとにLIMO編集部作成

就業者の数そのものも増え続けています。65歳以上の就業者は943万人で、2004年から22年続けて前の年を上回りました。15歳以上の就業者の総数に占める割合も13.8%で、前年より0.1ポイント上がっています。

2. 65歳以上の就業者の4人に1人は、雇われて働いているわけではない

次に、どういう形で働いているのかをみていきます。65歳以上の就業者を従業上の地位で分けると、次のようになっていました。

2.1 65歳以上の就業者の従業上の地位

  • 役員を除く雇用者 586万人(62.7%)
  • 自営業主・家族従業者 239万人(25.6%)
  • 会社などの役員 109万人(11.7%)

目を引くのは、自営業主・家族従業者が239万人で4分の1を占めていることです。65歳以上の働き方というと、勤め先に雇われて短い時間だけ働くかたちも思い浮かびやすいところですが、4人に1人はその形ではありません。

自営業主・家族従業者という区分には、店や事業を営んでいる方と、その家族として働いている方が入ります。定年という区切りがない働き方なので、65歳を過ぎたから辞める、という形になりにくいところがあるでしょう。

3. パート・アルバイトは309万人。役員を除く雇用者の半分を超える

役員を除く雇用者586万人を、雇用の形でさらに分けます。正規の職員・従業員は140万人(23.9%)、非正規の職員・従業員は446万人(76.1%)という内訳でした。

この非正規446万人の中身をみると、パート・アルバイトが309万人います。役員を除く雇用者586万人に対して52.7%で、半分を超えました。65歳以上で雇われて働いている方の2人に1人はパート・アルバイト、ということになります。

残りの137万人は、パート・アルバイト以外の非正規の職員・従業員です。

正規の職員・従業員140万人という数字も見ておきたいところです。65歳以上で雇われて働いている方のうち、4人に1人弱がこの形にあたります。65歳を過ぎると全員が短い時間の働き方に移る、というわけでもありません。

ここからは、この形が10年でどう変わってきたのかをみていきましょう。

宮野 茉莉子
働くシニアが増えていることがわかりますが、自営業やパート、社員、役員などその働き方はさまざまでした。老後、いつまで働くかはこの雇用形態から考えてみるのもひとうでしょう。ではこの10年でシニアの就業状況はどう変わったのでしょうか。