国税庁が2026年9月29日に公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円でした。前年より1.9%増え、5年続けて増えています。

会社員として厚生年金に加入していた人の老齢年金は、働いていたときの年収と加入した年数で、おおよその額が決まります。平均年収で長く働いた場合、年金は月いくらになるのでしょうか。

この記事では、日本年金機構の計算式をもとに、年収と加入年数ごとの年金月額を試算します。記事後半では、男女別の平均年収で試算した額と、試算が実際の年金額とずれる理由も確かめます。

1. 厚生年金は平均年収487万円で38年働くと、基礎年金と合わせて月「約15万1600円」

まずは、平均年収487万円で38年働いた場合の年金月額を、計算の式から確かめます。

1.1 年金額を計算する2つの式

会社員だった人の老齢年金は、厚生年金(報酬比例部分)と老齢基礎年金を合わせた額です。日本年金機構によると、2003年4月以降の加入期間の報酬比例部分と、老齢基礎年金は次の式で計算します。

  • 報酬比例部分 = 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数
  • 老齢基礎年金 = 84万7300円(2026年度の満額) × 保険料を納めた月数 ÷ 480月

平均標準報酬額は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)の合計を、加入した月数で割った額です。

1.2 試算の前提

試算は次の前提で行いました。実際の年金額とは異なるため、目安としてご覧ください。

  • すべて2003年4月以降の加入期間で、20歳から60歳までの間に加入した
  • 平均標準報酬額は、賞与を含む年収を12で割った額とする
  • 過去の給与の再評価や、加給年金などの加算は考えない

1.3 487万円で38年なら、年181万9248円

平均年収487万円で38年(456か月)働くと、報酬比例部分は年101万4313円、老齢基礎年金は年80万4935円です。合わせて年181万9248円、月にすると約15万1600円になります。

平均年収で38年働くと、年金はちょうど月15万円のあたりになることがわかりますね。同じ年収で40年働けば、月約15万9600円まで増えます。

2. 年収300万〜800万円・加入30〜40年の早見表、月15万円に届く年収は40年なら「約435万円」

同じ式で、年収と加入年数を変えて試算しました。

年収と厚生年金の加入年数別の年金月額(老齢基礎年金を含む・試算)1/1

年収300万円から800万円、加入30年から40年までの年金月額を、老齢基礎年金を含めて示した早見表

出所:日本年金機構「報酬比例部分」「老齢年金ガイド 令和8年度版」をもとにLIMO編集部作成(試算)

年収300万円で30年なら月約9万4100円、年収800万円で40年なら月約21万6800円です。年収が100万円違うと、40年の加入で月約1万8000円の差になります。

2.1 月15万円に届く年収の目安

年金月額が15万円に届く年収を、加入年数ごとに逆算すると次のとおりです。

  • 40年加入:年収約435万円
  • 38年加入:年収約478万円
  • 35年加入:年収約552万円
  • 30年加入:年収約708万円

加入年数が10年短いと、同じ月15万円に届くのに必要な年収が約270万円高くなることがわかりますね。年収だけでなく、加入した年数も年金額を大きく左右します。

ご自身の年金の見込みは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確かめられます。早見表と見比べて、年収と加入年数のどちらで差が出ているかを見ておくと、働き方を考える材料になります。

では、男女別の平均年収で試算すると、年金月額はどう変わるのでしょうか。