金の価格が高い水準にあるなかで、世界の中央銀行が金を買い増しているというニュースを見聞きした人もいるのではないでしょうか。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が10月6日に公表した中央銀行の金の統計によると、2026年8月に各国の中央銀行が報告した金の買い越しは、合計で39トンでした。1〜8月の合計は170トンです。

この記事では、どの国の中央銀行が金を買い、どの国が売ったのかを、WGCの公表資料をもとに整理します。

1. 世界の中央銀行の金、2026年8月は報告ベースで39トンの買い越し(WGC、10月6日公表)

WGCは、国際通貨基金(IMF)の統計や各国の中央銀行の公表をもとに、中央銀行の金の売買を毎月まとめています。10月6日の公表分は、データがある国について2026年8月31日までの数字です。

8月は中国の20トンが最も多く、ロシアは6トンの売り越しでした1/2

2026年8月の主な国の中央銀行の金の増減を示した横棒グラフ。中国20トン、ポーランド8トン、ウズベキスタン8トン、カザフスタン7トン、トルコ3トン、チェコ2トンの買い越し、ヨルダン3トン、ロシア6トンの売り越し

出所:World Gold Council「Central Bank Gold Statistics: Central banks continue summer spree in August」(2026年10月6日)をもとにLIMO編集部作成

1.1 中央銀行の金の買い越しは、1〜8月の合計で170トン

8月の39トンを含め、2026年1〜8月に中央銀行が報告した金の買い越しは合計170トンでした。数字は各国が報告した分を集めたもので、あとから報告が加わると変わることがあります。

1.2 8月に最も多く金を買い越したのは中国の20トン

国別では、中国人民銀行が8月に20トンを買い越しました。WGCによると、中国の買い越しは22か月連続です。ポーランド国立銀行とウズベキスタン中央銀行がそれぞれ8トン、カザフスタン国立銀行が7トンで続きます。トルコ中央銀行は3か月続いた売り越しのあと、8月は3トンの買い越しでした。チェコ国立銀行も2トンを買い越しています。

1.3 8月の売り越しはロシアの6トン、ヨルダンの3トン

一方で、ロシア中央銀行は8月に6トンを売り越しました。ヨルダン中央銀行も3トンの売り越しです。

2. 1〜8月の金の買い越しはポーランドが98トンで最多、保有は648トン

2026年1〜8月の合計で見ると、最も多く金を買い越したのはポーランドの98トンでした。中国の80トンが続きます。

1〜8月はポーランドと中国の買い越しが多く、トルコとロシアは売り越しでした2/2

2026年1〜8月の主な国の中央銀行の金の増減を示した横棒グラフ。ポーランド98トン、中国80トン、ウズベキスタン約50トン、カザフスタン約36トン、チェコ14トン、ヨルダン2トンの買い越し、ロシア56トン、トルコ82トンの売り越し

出所:World Gold Council「Central Bank Gold Statistics: Central banks continue summer spree in August」(2026年10月6日)をもとにLIMO編集部作成

2.1 ポーランドの金の保有は648トン、目標の700トンに近づく

WGCによると、ポーランド国立銀行の金の保有は648トンになり、目標とする700トンに近づいています。

2.2 中国の金の保有は約2387トンで、準備資産の約9%

中国人民銀行は1〜8月に80トンを買い越し、金の保有は約2387トンになりました。外貨準備などの準備資産全体に占める金の割合は約9%です。

2.3 ウズベキスタンは準備資産の約90%、カザフスタンは約79%が金

ウズベキスタン中央銀行は1〜8月の買い越しが50トン近くになり、金の保有は約439トンで準備資産全体の約90%を占めます。カザフスタン国立銀行は36トン近くを買い越し、保有は約377トンで約79%です。

2.4 1〜8月の売り越しはトルコが82トン、ロシアが56トン

売り越しが多かったのは、トルコの82トンとロシアの56トンでした。トルコの売り越しの多くは、1〜3月に出たものです。ロシアの金の保有は2271トンです。

3. 2026年6月末の金の保有は米国が8133.46トン、日本は845.97トン(WGC集計)

WGCは、IMFの統計などをもとに各国の金の保有量も公表しています。2026年6月末時点(一部の国は3月末以前)で、米国は8133.46トン、日本は845.97トンでした。

3.1 準備資産に占める金の割合は、米国81.42%、日本8.51%

WGCの計算では、準備資産全体に占める金の割合は、米国が81.42%、日本が8.51%、中国が8.02%です。金の評価額は、6月末のLBMA金価格をもとに計算されています。

3.2 4〜6月はポーランドが50.79トン、中国が32.97トン増えた

2026年4〜6月の3か月で金の保有が最も増えたのはポーランドの50.79トンで、中国の32.97トン、ウズベキスタンの16.17トン、カザフスタンの14.78トンが続きます。最も減ったのはロシアの21.77トンでした。

4. 金の店頭価格、10月19日は1グラム小売2万3544円・買取2万3187円

国内の金価格も確認しておきます。田中貴金属工業が10月19日14時に公表した金の店頭小売価格(税込)は1グラム2万3544円、店頭買取価格(税込)は2万3187円でした。

WGCによると、2026年8月に中央銀行が報告した金の買い越しは39トンで、1〜8月では170トンです。国別ではポーランドと中国が多く買い越す一方、トルコやロシアは売り越しました。

国ごとの保有量や増減は、WGCが毎月公表する中央銀行の統計で確かめられます。手元に金がある人は、その日の店頭買取価格に重さを掛けると、評価額の目安をつかめます。

ここからは、中央銀行の統計を読むときに気をつけたい点と、ニュースを自分の金に引き寄せて考える方法を見ていきます。