2026年9月4日、株式会社博報堂の「博報堂富裕層マーケティングラボ」は、富裕層の価値観や消費意識を分析した「新富裕層調査2026」の結果を発表しました。調査では、20代から30代の「若年富裕層」が、同年代と比べて消費に積極的な様子が見えてきています。また、2026年7月15日に公表された厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」からは、一般の若い世代・現役世代の所得や貯蓄、借入金の実態がわかります。

ファイナンシャルプランナーとして家計のご相談をお受けしていると、20代から40代の方から「住宅ローンや教育費を考えると、今どれくらい貯めておけばいいのか」「お金を使うことに罪悪感がある」というお悩みを多く伺います。収入が増えていく時期だからこそ、「増やす」「返す」「使う」のバランスに迷う方が多いのが現実です。

本記事では、これらの最新データをもとに、若年富裕層のお金の使い方と、一般の若い世代のリアルなお金事情を比較しながら、これからの資産づくりに役立つ具体的なヒントを専門家の視点で詳しく解説します。これから本格的に家計管理を始めたい方も、すでに取り組んでいる方も、ご自身に合った心地よいお金との付き合い方を見つけてみてください。

1. 【世帯年収3000万円以上】20代・30代「若年富裕層」のお金の使い方とは?

博報堂の「新富裕層調査2026」では、世帯年収3000万円以上の世帯を「新富裕層」と位置づけています。世帯年収3000万円以上では、純金融資産(預貯金や株式などの金融資産から借入金などの負債を差し引いた実質的な資産額)が1億円以上の世帯が55パーセントを占めており、所得と資産の両方が豊富な「ダブルリッチ富裕層」が中心となっています。

1.1 若年富裕層の「自由に使えるお金」は月58万円

このうち20歳代から30歳代の「若年富裕層」が、生活費以外に1カ月間で自由に使えるお金は平均58万円でした。40歳代から50歳代の富裕層(44万8000円)や、60歳代以上の富裕層(46万6000円)を上回っています。

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若年富裕層の「自由に使えるお金」は月58万円

出所:博報堂富裕層マーケティングラボ「新富裕層調査2026」をもとにLIMO編集部作成

1.2 「クルマ離れ」は当てはまらない?若年富裕層の32パーセントが「クルマ」にお金をかける

また、若い世代の間ではライフスタイルの多様化が進んでいますが、若年富裕層は趣味や体験への投資に非常に積極的です。各カテゴリーに「お金をかけている」と回答した割合を、20代から30代全体と比較すると以下のようになります。

《各カテゴリーでみる割合》若年富裕層/20歳代から30歳代全体の割合

  • クルマ:32パーセント/13パーセント
  • ラグジュアリーブランド:21パーセント/4パーセント
  • 時計:36パーセント/6パーセント
  • ジュエリー:30パーセント/5パーセント
  • 海外旅行:45パーセント/9パーセント
  • アート作品:22パーセント/3パーセント

すべての項目で同年代全体を大きく上回っており、時計・ジュエリー・海外旅行・アート作品では、富裕層全体のスコアも上回りました。自由に使えるお金の多さを背景に、体験や趣味、自分を豊かにしてくれるものへ積極的にお金を使っている様子がうかがえます。

2. 【20歳代から50歳代】現役世代のリアルな所得事情と「1人あたりの平均所得額」はいくら?

では、一般的な若い世代・現役世代のお金事情はどうなっているのでしょうか。厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2024年1年間の1世帯あたり平均所得金額は、世帯主の年代別に次のとおりです。

世帯主の年代別・平均所得金額3/4

世帯主の年代別・平均所得金額

出所:厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」

  • 29歳以下:364万3000円(世帯人員1人あたり265万円)
  • 30歳から39歳:646万9000円(同253万7000円)
  • 40歳から49歳:761万8000円(同262万1000円)
  • 50歳から59歳:814万6000円(同334万円)

1世帯あたりの所得は、年齢が上がるにつれて順調に増え、50代でもっとも高くなります。しかし、注目したいのはカッコ内の「世帯人員1人あたり」の金額です。30代・40代の1人あたりの所得は、29歳以下とほぼ同じ水準にとどまっています。

これは、結婚や出産などで家族が増えると、世帯全体の所得は増えても、生活費や教育費がかさむため、1人あたりに自由に回せるお金はそれほど増えないという子育て世代のリアルな現状を表しています。