児童扶養手当は、ひとり親世帯の生活の安定と自立を助けるための手当です。ただし、支給の理由は離婚に限られませんし、受給が始まった後も毎年の手続きが必要です。

本記事では、手当の対象と金額、所得制限を確認したうえで、受け取る前に知っておきたい3つの注意点を整理します。

鶴田 綾
この手当で見落とされやすいのが、受給が始まった後の手続きです。毎年8月の現況届を出し忘れると、11月分から止まってしまいます。本記事では、児童扶養手当について詳しく解説します。制度の中身とあわせて、続けるために必要なことも押さえておきましょう。

1. 児童扶養手当とはどのような制度か

児童扶養手当は、父母の離婚や死亡などによって父または母と生計を同じくしていない児童が育つ家庭の、生活の安定と自立を助けることを目的とした手当です。

対象となるのは、18歳到達後の最初の3月31日までの児童を養育している方です。児童が一定の障害の状態にある場合は20歳未満まで対象になります。

支給の理由となるのは、次のような事情です。

  • 父母が離婚した
  • 父または母が死亡した
  • 父または母に重度の障害がある
  • 父または母の生死が明らかでない、または遺棄されている
  • 父または母が法令により1年以上拘禁されている
  • 母が婚姻によらないで出産した
  • 配偶者からの暴力で裁判所からの保護命令を受けた

ひとり親のための手当と理解されがちですが、支給の理由は離婚に限られません。父または母に重度の障害がある家庭も対象に含まれます。

2. 手当額は児童1人目で月4万8050円(令和8年4月分以降)

品川区の案内をもとに、令和8年4月分以降の手当額を確認します。手当額は毎年度、物価の変動に応じて改定されます。

児童扶養手当の月額を全部支給・一部支給に分けて整理した図1/2

児童扶養手当の月額を全部支給・一部支給に分けて整理した図

出所:品川区「児童扶養手当」を参考にLIMO編集部作成

  • 全部支給:児童1人目4万8050円、2人目以降は1人につき1万1350円を加算
  • 一部支給:児童1人目4万8040円から1万1340円、2人目以降は1人につき1万1340円から5680円を加算

たとえば児童2人を養育していて全部支給に該当する場合、月額は4万8050円と1万1350円を合わせた5万9400円になります。

一部支給の額は所得に応じて10円単位で決まるため、同じ人数の世帯でも受け取る額は変わります。

3. 所得制限。全部支給と一部支給で線が分かれる

児童扶養手当には所得制限があり、受給資格者本人の前年の所得によって全部支給・一部支給・支給停止に分かれます。

品川区の案内では、扶養親族が0人の場合、全部支給は所得69万円未満、一部支給は所得208万円未満とされています。扶養親族の人数が増えると、この限度額も上がります。

ここでいう所得は、給与収入そのものではなく、給与所得控除などを差し引いた後の金額です。収入金額で判断すると実態とずれますので、源泉徴収票や課税証明書で所得額を確認してください。

なお、同居する扶養義務者(父母や兄弟姉妹など)の所得も判定の対象になります。実家で暮らしている場合は、世帯の状況によって支給されないこともあります。

児童扶養手当の支給月と、それぞれの支給で受け取る対象月分2/2

児童扶養手当の支給月と、それぞれの支給で受け取る対象月分

出所:品川区「児童扶養手当」を参考にLIMO編集部作成

支給は年6回です。1月・3月・5月・7月・9月・11月に、それぞれ前の2カ月分が振り込まれます。