2026年(令和8年)9月に、日本年金機構から最新の「障害年金業務統計(令和7年度決定分)」が公表されました。障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事に制限が生じたときに支えとなる大切な公的年金ですが、一度認定されればずっと同じ金額を受け取れるわけではなく、定期的な更新手続きが必要です。
本記事では、最新データから読み解く障害年金の更新の仕組みと、令和8年度の具体的な支給額について分かりやすく解説します。
1. 【障害年金】「一生もらえるとは限らない」更新期間は3年以内が多い?
障害年金は、公的年金に加入している方が、病気やケガによって生活や労働に支障が出る状態になった場合に受け取れる可能性のある社会保険です。対象となる病気は非常に幅広く、手足の不自由や視覚・聴覚の障害だけでなく、長期療養が必要ながんや糖尿病などの内部疾患、うつ病や統合失調症などの精神疾患も対象となります。
障害年金の給付プロセスには、初めて申請して受給の可否が決まる「新規裁定」と、すでに受給中の人が継続の可否などを判定される「再認定」があります。
障害年金は、一度認定されたらずっと自動的に「一生もらえる」わけではありません。永久固定の場合を除き、更新期間は1〜5年の間で設定されており、期間が満了するまでに提出した診断書(障害状態確認届)をもとに「再認定」が行われます。
日本年金機構が令和8年9月に公表した「障害年金業務統計(令和7年度決定分)」より、更新期間ごとの支給件数をみていきましょう。
1.1 【新規裁定】は「2〜3年」の短期更新が約6割
初めての申請で受給が認められた際には、「〇年後に再度診断書を提出してください」と更新期間が設定されます。中には、症状が固定され今後の改善が見込めないと判断される「永久固定」もあります。
令和7年度【新規裁定】更新期間別支給件数 ※()カッコ内は割合
- 障害基礎・厚生年金の合計支給件数:13万2176件
- 更新期間1年:5708件(4.3%)
- 更新期間2年:4万2225件(31.9%)
- 更新期間3年:3万6519件(27.6%)
- 更新期間4年:376件(0.3%)
- 更新期間5年:3万5672件(27.0%)
- 永久固定:1万1676件(8.8%)
新規裁定で支給が決定したケースでは、更新期間が「2年」または「3年」と設定された件数が全体の約6割(59.5%)を占めています。1年も含めた「3年以内」でみると63.8%です。受給が決まった直後は、障害の状態が時間の経過とともに変化する可能性をふまえ、比較的短い期間で状態を確認する運用となっていることがうかがえます。
次に、【再認定】の更新期間についてみていきましょう。
1.2 【再認定】は「3年更新」が最多に。令和5年度から傾向に変化も
令和7年度【再認定】更新期間別支給件数 ※()カッコ内は割合
令和7年度《再認定》更新期間別支給件数

- 障害基礎・厚生年金の合計支給件数:21万632件
- 更新期間1年:3590件(1.7%)
- 更新期間2年:2万6744件(12.7%)
- 更新期間3年:7万7480件(36.8%)
- 更新期間4年:5151件(2.4%)
- 更新期間5年:6万4959件(30.8%)
- 永久固定:3万2708件(15.5%)
再認定では、更新期間「3年」が36.8%で最も多く、「5年」(30.8%)、「永久固定」(15.5%)が続きます。
2. 【障害年金】再認定の96パーセント以上は「継続」される
更新期間とあわせて、審査の結果も確認しておきましょう。
令和7年度の新規裁定の決定件数は14万4107件で、このうち1万5211件(10.6%)が支給要件に該当しない「非該当」となりました。このほか、書類の不備などにより障害等級の判定ができず「却下」となったケースも、障害基礎で704件、障害厚生で686件ありました。
一方、再認定の決定件数は20万8177件で、このうち20万818件(96.5%)は「継続」でした。増額は3304件(1.6%)、減額は1871件(0.9%)、支給停止は2184件(1.0%)です。
- 継続:20万818件(96.5%)
- 増額:3304件(1.6%)
- 減額:1871件(0.9%)
- 支給停止:2184件(1.0%)
再認定で支給が止まるケースは全体の1%程度ですが、更新のたびに診断書の提出が必要となる点は、受給中の方にとって大切なポイントといえるでしょう。医療の進歩や社会復帰の状況を踏まえ、再認定後もこまめに状態を確認するケースが増えていると考えられます。