4. 手持金がたまると介護施設入所者加算の計上が止まることがある
施設に入所していると使い道が限られるため、加算が手元にたまっていくことがあります。
この場合の取扱いは、厚生労働省の通知で全国共通の指針が示されています。
4.1 累積額の目安は加算等の6か月分
「入院患者、介護施設入所者及び社会福祉施設入所者等の加算等の取扱いについて」(社保第51号)では、金銭管理能力がないため施設の長などに金銭の管理をゆだねている方を対象に、手持金の累積額が加算等の6か月分に達している場合は加算等の計上を停止するとされています。
停止の前には、必要な加算等の需要が計画的かつ合理的に賄われていたかどうかを調査し、加算等の全額を必要としないことを確認したうえで行うことになっています。
4.2 1か月分程度まで減ったら再び計上される
止まったままになるわけではありません。同じ通知は、手持金が加算等の1か月分程度まで減少した場合は再度加算等を計上する、と定めています。
介護施設入所者加算と介護施設入所者基本生活費の両方が認定されている方については、まず加算の計上を停止し、それでも累積が進む場合に基本生活費の計上を停止するという段階的な取扱いも認められています。
5. 介護保険料加算が止まったときは保険者への連絡が必要になる
加算の停止で気をつけたいのが、介護保険料の納付が滞らないようにすることです。
5.1 代理納付ができなくなるため連絡が求められている
同じ通知には、介護保険料加算が計上されている方であって、保護の実施機関が加算に相当する額を受領し、被保護者に代わって保険者に納付している場合の扱いが書かれています。
加算の計上が停止または再計上された場合はその旨を保険者に連絡するとともに、加算の停止により代理納付ができなくなることから、保険者および施設の長の協力を得て、円滑な保険料納付が行われるよう配慮することとされています。
手続きは福祉事務所が進めるものですが、家族が状況を知っておくと、納付の行き違いに気づきやすくなります。
5.2 加算を計上しないことで保護を要しなくなる場合は原則として停止になる
通知には、加算等を計上しないことにより保護を要しなくなる場合でも、直ちに保護を廃止せず、とりあえず保護の停止を行うことと示されています。
あわせて、保護の停止または廃止を行う場合には、国民健康保険への加入手続きについて遺漏のないようにすることとされています。医療保険の資格が切り替わる場面なので、ここも確認しておきたいところです。
6. まとめ|生活保護と介護保険の関係は65歳を境に変わる
65歳以上で生活保護を受けている方は介護保険の第1号被保険者のままで、普通徴収で納める保険料は介護保険料加算として実費が上乗せされます。
40歳以上65歳未満で医療扶助を受けている方は介護保険の被保険者にならず、介護が必要になったときは介護扶助から給付されます。
介護施設に入所すると生活扶助は介護施設入所者基本生活費に切り替わり、基準額は月1万120円以内、介護施設入所者加算も月1万120円以内でした。
実際にいくら計上されるかは世帯の状況で決まります。住まいの地域の福祉事務所で確かめ、説明を書面で受け取っておくことをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」
- 厚生労働省「生活保護法による介護扶助の運営要領について」
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」
- 厚生労働省「介護保険制度について(40歳になられた方(第2号被保険者)向け)」
- 札幌市「生活保護制度」
- 厚生労働省「生活保護制度」