老齢基礎年金は、20歳から60歳までの40年間すべて保険料を納めて満額になります。学生のころの未納期間や、免除を受けた期間が残っている方も少なくありません。
日本年金機構は、60歳を過ぎてから保険料を納めて年金額を増やせる制度として、国民年金の任意加入制度を案内しています。2026年度の国民年金保険料は月1万7920円で、1か月納めるごとに老齢基礎年金は年1765円増えます。
この記事では、2026年4月分からの老齢基礎年金の満額と任意加入の要件を確認したうえで、納める期間ごとに年金がいくら増えるかを早見表で見ていきます。
なお、公的年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 2026年4月分からの老齢基礎年金の満額は月7万608円
国民年金から支給される老齢基礎年金は、毎年度、年金額が改定されます。まずは2026年4月分から適用される金額を確認していきましょう。
1.1 満額を受け取るには480月の保険料納付が必要
日本年金機構が公表している2026年4月分からの老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの方が月7万608円、昭和31年4月1日以前生まれの方が月7万408円です。
この満額は、20歳から60歳までの480月すべてに保険料を納めた場合の金額です。納付済期間が480月に届かない場合は、その月数に応じて年金額が少なくなります。
1.2 夫婦2人分の標準的な年金額は月23万7279円
同じ資料では、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額が月23万7279円と示されています。平均的な収入で40年間就業した場合に受け取り始める金額の目安です。
老齢基礎年金は、この標準的な年金額の土台にあたる部分です。納付月数が足りないとここが目減りします。
2. 国民年金の任意加入制度は60歳から65歳までの最大5年間
20歳から60歳までの納付月数が480月に届かなかった方は、60歳以降も国民年金に加入して保険料を納められます。これが任意加入制度です。
任意加入制度については、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」でも触れられています。
20歳から60歳までの間に未納期間や免除期間があり、国民年金が満額に達していない場合、60歳から65歳になるまでの間に「任意加入制度」を利用して保険料を追加で納めることができます。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
2.1 任意加入できる方の4つの要件
日本年金機構は、国内に住んでいる方が任意加入できる要件として、次の4つを挙げています。
- 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満であること(一部の在留資格の方を除く)
- 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていないこと
- 20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月に達していないこと
- 厚生年金保険、共済組合等に加入していないこと
この4つをすべて満たす場合に、60歳以上65歳未満の期間のうち最大5年間、保険料を納められます。
2.2 申し込み窓口と保険料の納め方
申し込み窓口は、住んでいる市区役所・町村役場の国民年金担当窓口か、最寄りの年金事務所です。60歳の誕生日の前日から手続きができます。
保険料の納付方法は、外国に居住する日本人を除き、口座振替が原則です。加入は申し出のあった月からで、さかのぼって加入することはできません。
3. 【早見表】任意加入で老齢基礎年金はいくら増えるか
2026年度の国民年金保険料は月1万7920円で、1か月納めるごとに老齢基礎年金は年1765円増えます。納める期間ごとに金額を並べてみましょう。
2026年度の国民年金保険料をもとに、任意加入で納める期間別に、納める保険料の合計と増える年金額を計算したものです。1/2
出所:日本年金機構「あと少しで年金を受け取れる方へ(国民年金任意加入のご案内)」を参考にLIMO編集部作成
【納める期間別の保険料合計と増える年金額】
- 1年(12月):保険料21万5040円/増える年金 年2万1180円・月1765円
- 2年(24月):保険料43万80円/増える年金 年4万2360円・月3530円
- 3年(36月):保険料64万5120円/増える年金 年6万3540円・月5295円
- 4年(48月):保険料86万160円/増える年金 年8万4720円・月7060円
- 5年(60月):保険料107万5200円/増える年金 年10万5900円・月8825円
3.1 1年納めると年2万1180円、5年納めると年10万5900円増える
1年間にあたる12月分を納めると、納める保険料は21万5040円で、老齢基礎年金は年2万1180円増えます。月額にすると1765円です。
上限の5年間にあたる60月分を納めた場合は、保険料の合計が107万5200円、増える年金は年10万5900円になります。月額では8825円です。
3.2 納めた保険料と同じ額を受け取るまでにはおよそ10年
5年間納めた場合、107万5200円の保険料に対して年10万5900円が上乗せされます。単純に割ると、およそ10年2か月受け取った時点で納めた額に並ぶ計算です。
この年数は納める期間が1年でも5年でも変わりません。保険料と増える年金額が同じ割合で増えるためです。
ファイナンシャルプランナーとして家計のご相談を受けていると、ねんきん定期便の納付月数を見て初めて満額に届いていないと気づく方がいらっしゃいます。
任意加入はさかのぼって申し込めません。60歳が近い方は、ご自身の納付月数を早めに確認しておきましょう。

