5. 中高齢寡婦加算は段階的に縮小される

配慮措置の一覧には、増える仕組みだけでなく縮小されるものも入っています。

5.1 いまは年63万5500円が加算されている

中高齢寡婦加算は、夫が亡くなったときに40歳以上65歳未満で生計を同じくしている子がいない妻に加算されるものです。令和8年度の額は年63万5500円で、亡くなった夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上の場合に限られます。

遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達したことで遺族基礎年金を受けられなくなったときも対象になります。

5.2 女性のみの加算として段階的に縮小される

厚生労働省は、改正のねらいの一つとして女性のみの加算を廃止し、25年かけて段階的に縮小すると説明しています。

死亡分割や有期給付加算で額が増える一方、この加算は減っていく方向です。増える部分だけを見て判断しないようにしたいところです。

5.3 遺族基礎年金の側も見直される

遺族基礎年金については、父または母と生計を同じくしていても、その父または母が遺族基礎年金を受け取れない場合には子が受け取れるようになります。こちらも2028年4月からの実施です。

6. 施行までにできること

施行は2028年4月の予定です。それまでに手元で確かめておけることがあります。

6.1 自分が段階的実施のどこに当たるかを数える

女性は2028年度末の時点で40歳未満の方が有期給付の対象になります。生年月日から自分がどちら側かを数えてみましょう。

6.2 自分の厚生年金の加入記録を確認しておく

死亡分割で増える額は、亡くなった方と自分の双方の加入記録で決まります。ねんきん定期便やねんきんネットで、自分の記録を先に見ておくと話が早くなります。

6.3 いま受け取っている方は対象外であることを押さえる

改正前から遺族厚生年金を受け取っている方は、5年で打ち切られることはありません。報道の見出しだけで不安になる前に、自分が対象かどうかを確かめてみましょう。

7. 死亡分割は老後の年金として返ってくる仕組み

2028年4月から、18歳未満の子のいない60歳未満の配偶者は原則5年の有期給付になります。男女差を解消することが見直しのねらいです。

配慮措置として、5年経過後の給付の継続、死亡分割制度と有期給付加算の新設、収入要件の廃止、中高齢寡婦加算の段階的見直しがあわせて行われます。

このうち死亡分割は、亡くなった配偶者の厚生年金記録を分割して遺された配偶者の記録に上乗せするもので、65歳からの自分の老齢厚生年金に反映されます。増える部分と縮小される部分の両方を見てから、生活設計を考えてみましょう。

参考資料