男性の厚生年金受給権者は1067万9944人。このうち月額15万円以上を受け取っているのは735万998人で、約68.8%にあたります。
本記事では、公的年金のしくみを確認したうえで、男性の厚生年金受給額を1万円刻みで見ていきます。上のほうがどこから細くなるのかを確かめ、あわせてシニア世代が年金だけでどこまで暮らせているのかも調査データで見ておきます。
特に、どのラインから高額受給者の割合が急減するのかを把握しておくことで、過度な期待を避け、より現実的な老後資金計画を立てられます。
実際のデータを順に追っていきましょう。
1. 公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て
日本の公的年金制度は、1階部分にあたる「国民年金」と、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つ、2階建て構造です。
1.1 【国民年金】1階部分
- 加入対象:原則、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人
- 保険料:全員一律、年度ごとに見直しあり(※1)
- 年金額:保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降に満額の基礎年金(※2)を受給できる(未納期間分に応じて減額調整)
※1 国民年金保険料:1万7920円(2026年度の月額)
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:7万608円(2026年度の月額)
1.2 【厚生年金】2階部分
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:収入に応じて(上限あり)決定する報酬比例制
- 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せして支給)
国民年金の保険料は「全員一律」ですが、厚生年金の保険料は「報酬比例制」です。そのため、現役時代に「国民年金」または「厚生年金」のどちらに加入していたかで、老後の受給額に大きな差が出ます。
厚生年金の場合、毎月の給与や賞与などの「報酬」に、所定の保険料率を乗じて保険料を決定します。そのため、納付する保険料は人それぞれ異なります。
2. 男性の厚生年金、1万円刻みで見る受給額の分布
厚生年金の年金額は、現役時代の収入によって個人差が大きいといわれていますが、実際にどのくらいの差なのか気になるところではないでしょうか。
厚生労働省の資料「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は男女全体で15万289円でした。
では、男性の場合はどうなのでしょうか。確認していきましょう。
※下記の厚生年金の年金月額には国民年金(老齢基礎年金)部分を含みます。
《男性》平均年金月額:16万9967円
- 男性の厚生年金受給権者:1067万9944人
- 厚生年金を月額15万円以上受け取っている人:735万998人
735万998人÷1067万9944人 =約68.8%
男性のうち、厚生年金を月額15万円以上受給している人の割合は約7割です。
また、1万円刻みで受給額分布を確認し、個人差も見てみましょう。
- ~1万円:3万446人
- 1万円以上~2万円未満:1万257人
- 2万円以上~3万円未満:5404人
- 3万円以上~4万円未満:5185人
- 4万円以上~5万円未満:1万4747人
- 5万円以上~6万円未満:3万9134人
- 6万円以上~7万円未満:13万4214人
- 7万円以上~8万円未満:23万186人
- 8万円以上~9万円未満:26万278人
- 9万円以上~10万円未満:26万99人
- 10万円以上~11万円未満:29万8838人
- 11万円以上~12万円未満:37万6357人
- 12万円以上~13万円未満:45万6689人
- 13万円以上~14万円未満:54万9337人
- 14万円以上~15万円未満:65万7775人
- 15万円以上~16万円未満:76万4713人
- 16万円以上~17万円未満:85万3718人
- 17万円以上~18万円未満:92万6462人
- 18万円以上~19万円未満:95万5327人
- 19万円以上~20万円未満:91万3998人
- 20万円以上~21万円未満:82万204人
- 21万円以上~22万円未満:68万2702人
- 22万円以上~23万円未満:50万9842人
- 23万円以上~24万円未満:34万1191人
- 24万円以上~25万円未満:22万4720人
- 25万円以上~26万円未満:14万7563人
- 26万円以上~27万円未満:9万2856人
- 27万円以上~28万円未満:5万4156人
- 28万円以上~29万円未満:2万9810人
- 29万円以上~30万円未満:1万4935人
- 30万円以上~:1万8801人
平均をやや上回る「18万円以上~19万円未満」がボリュームゾーンとなっています。ごく少数ながら、月額30万円以上受け取っている人も存在します。
年金収入だけで現役時代と同じ生活レベルを維持するのは難しいと感じる世帯は、決して少なくないでしょう。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」でご自身の年金見込額を確認しておくことが大切です。
