公的年金の改定は、老齢年金だけの話ではありません。障害年金も遺族年金も、同じ改定率で見直されます。ご自身やご家族が受け取っている年金がどう変わったのかは、届く通知書で確認できます。
本記事では、2026年度に改定された老齢・障害・遺族の3つの年金額と、要件を満たす方に上乗せされる「年金生活者支援給付金」を確認したうえで、通知書のどこを見ればよいのかを整理します。
1. 老齢基礎年金は満額で月7万608円。夫婦2人の標準額は
老齢基礎年金の満額は、前年度から月額1300円増額されました。
- 老齢基礎年金(満額): 月額 7万608円
- 夫婦2人の標準的な年金額: 月額 23万7279円
※厚生労働省が示す、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準額
昭和31年4月1日以前に生まれた方も、同様に増額改定の対象となります。
なお、老齢基礎年金を含む前年の所得額が一定基準に満たないなど、要件を満たす場合には、これにプラスして「老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。この給付金を受け取るための要件を確認していきましょう。
1.1 老齢年金生活者支援給付金、年金の上乗せ!給付基準額「月5620円」に改定
あわせて、老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は月額5620円に改定されました。
対象となるのは、以下の条件をすべて満たす方です。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受給している
- 世帯全員の住民税が非課税である
- 前年の年金収入額とその他の所得の合計が、2026年10月分からは82万6500円(昭和31年4月1日以前生まれの方は82万4100円)以下である
なお、所得が基準をわずかに超える場合でも、受給額の逆転を防ぐための「補足的給付金」が用意されています。
2. 障害基礎年金1級は年105.9万円。子の加算額も上乗せ
障害年金は、病気やけがで生活に制限が出た際、現役世代でも受け取れる大切な制度です。2026年度の改定額は以下の通りです。
《2026年度の障害基礎年金》
※昭和31年4月2日以後生まれの方
- 1級:105万9125円 + 子の加算額
- 2級:84万7300円 + 子の加算額
昭和31年4月1日以前生まれの方も同様に増額改定の対象です。
《子の加算額》
※生計を維持されている子がいる場合に加算されます。
- 1人目・2人目: 1人につき 24万3800円
- 3人目以降: 1人につき 8万1300円
なお、障害基礎年金を受け取っている方も、前年の所得等の要件を満たす場合には、これに加えて「障害年金生活者支援給付金」を受け取れることがあります。あわせて給付額を確認しておきましょう。
2.1 障害年金生活者支援給付金の給付額
障害基礎年金の受給者が対象で一定の所得基準に該当した方は障害年金生活者支援給付金を受け取れる場合があります。
《2026年度の障害年金生活者支援給付金》
- 1級:月額7025円
- 2級:月額5620円
前年の所得要件など支給要件を満たした障害基礎年金受給者に支給される場合がありますが、この障害年金生活者支援給付金の受給者では特に50歳代の受給者が多いのが特徴です。
3. 遺族基礎年金は年84.7万円。子の加算額とあわせて確認
遺族年金は、家計を支えていた人が亡くなったときに、のこされた家族の生活を支えるための年金です。
《2026年度の遺族基礎年金》
※昭和31年4月2日以後生まれの方
- 子のある配偶者が受け取るとき
84万7300円 + 子の加算額 - 子が受け取るとき
84万7300円 + 2人目以降の子の加算額
子の加算額
- 1人目・2人目: 1人につき 24万3800円
- 3人目以降: 1人につき 8万1300円
配偶者がいない場合などは、子が直接年金を受け取ります。受け取り方については、上記の合計額を子の人数で割った額が、1人あたりの受給額となります。
遺族厚生年金の額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が基本で、妻と子2人のケースでは、生計を同じくする配偶者に優先的に支給されるため、その間、子への支給は停止されますが、世帯全体としての受給権がなくなるわけではありません。
なお、遺族基礎年金を受け取っている方も、前年の所得等の要件を満たす場合には、これに加えて「遺族年金生活者支援給付金」を受け取れることがあります。こちらの給付額もあわせて確認していきましょう。
3.1 遺族年金生活者支援給付金
遺族年金生活者支援給付金も2026年度の給付額が見直されました。
《2026年度の遺族年金生活者支援給付金》
- 月額5620円
前年の所得要件など支給要件を満たした遺族基礎年金の受給者が対象ですが、2人以上の子が遺族基礎年金を受け取る場合は、この給付額を子の人数で割った金額がそれぞれに支払われることになります。
