国民健康保険料の納入通知書を見て、その金額に驚いた方もいるのではないでしょうか。物価高が進む中、月々の支払いを苦しく感じる世帯も少なくありません。
令和8年度は賦課限度額が113万円に引き上げられ、「子ども・子育て支援金分」という区分も新しく加わりました。
この記事では、令和8年度の国民健康保険料が所得ごとに年間いくらになるのかを、東京都新宿区の概算で確認していきます。
1. 国民健康保険に加入するのはどんな人か。会社の健康保険との違いも確認する
はじめに、国民健康保険がどのような制度なのかを見ていきましょう。
日本は国民皆保険制度をとっているため、誰もが何らかの公的な医療保険に加入することになっています。
このうち、次の制度のいずれにも当てはまらない方が国民健康保険の対象です。
- 協会けんぽ…中小企業で働く従業員
- 組合管掌健康保険…大企業で働く従業員
- 共済組合…公務員や私立学校の教職員
- 船員保険…船員
- 後期高齢者医療制度…75歳以上(一定の障害がある方は65歳以上)の方
自営業やフリーランスの方、退職して会社の健康保険を抜けた方などが該当します。
保障の内容はおおむね共通していますが、会社の健康保険にあって国民健康保険にはない給付もあります。
その代表が「出産手当金」と「傷病手当金」です。
病気やけが、出産で仕事を休んでも、国民健康保険では原則としてこれらの手当が支給されません。
窓口での自己負担が原則3割で済むのは公的な医療保険があるからですが、特にあまり病院にかからない方にとっては、保険料を重く感じることもあるでしょう。
2. 国民健康保険料の賦課限度額は令和8年度に113万円へ引き上げられた
続いて、保険料の上限がどう変わったのかを確認します。
国民健康保険料は所得が上がるほど増えていきますが、際限なく上がるわけではなく、賦課限度額という上限が設けられています。
令和8年度は医療分が66万円から67万円に引き上げられ、あわせて「子ども・子育て支援金分」が新設されました。
4つの区分を合計すると113万円になり、令和7年度の109万円から4万円増えたことになります。
ただし、この上限に届くのは所得がかなり高い世帯に限られます。
新設された子ども・子育て支援金分について、新宿区の令和8年度の均等割額は18歳以上の加入者1人あたり1873円、所得割率は0.27%です。
18歳未満の子どもにかかる均等割額は全額軽減されるため、子どもの人数によってこの区分の均等割額が増えることはありません。
3. 令和8年度の国民健康保険料は、所得ごとに年間いくらか
保険料の料率は市区町村がそれぞれ決めているため、同じ所得でも住んでいる場所によって金額は変わります。
ここでは東京都新宿区が公表している令和8年度の概算早見表で、所得ごとの年間保険料をチェックしていきます。
総所得金額等が300万円の場合、介護分がかかる40歳から64歳までの方で年間41万9230円です。
同じく500万円なら67万9430円になります。
新宿区の保険料は原則として年10回払いで、1回の納期に1.2か月相当分が含まれます。
そのため、1回あたりの請求額は12で割った月額よりも重くなります。
なお、「総所得金額等」は手取り額でも年収でもありません。前年の収入から必要経費や給与所得控除などを差し引いたあとの金額を指します。
保険料は、その総所得金額等から基礎控除額43万円を引いた算定基礎額に所得割率をかけ、加入者1人あたりの均等割額を足して計算します。
新宿区の令和8年度の所得割率は、医療分が7.51%、後期高齢者支援金分が2.80%、介護分が2.43%です。
均等割額は1人あたり、医療分が4万7600円、後期高齢者支援金分が1万7600円、介護分が1万7800円となっています。
自治体で国民健康保険の保険料の計算を担当していた頃、窓口で多かったのは「計算の根拠を知りたい」という相談でした。
料率も均等割額も市区町村の条例で決まっていますので、まずはお住まいの自治体が公表している料率を見てみることをおすすめします。
