健康保険は病院の窓口で使うものだと思われがちですが、現金で受け取れる給付もあります。
全国健康保険協会(協会けんぽ)は「給付と手続き」として13のメニューを並べており、その中に傷病手当金や埋葬料といったお金が含まれています。
この記事では13のメニューと2つの給付の金額を確認したうえで、住民税非課税世帯の医療費の優遇を見ていきます。
1. 【健康保険】協会けんぽが並べる13の給付と手続き
まず全体像を押さえます。窓口で使うものと、あとから請求してお金を受け取るものが混ざっています。
1.1 13のメニューの中身
協会けんぽの「給付と手続き」には次の13が並んでいます。
療養の給付、限度額適用認定証・高額療養費・高額介護合算療養費、療養費、傷病手当金、移送費、海外療養費、柔道整復師のかかり方、はり・きゅう等のかかり方、出産育児一時金・出産手当金、埋葬料・埋葬費、第三者行為による傷病届、任意継続、保険者間調整です。
柔道整復師やはり・きゅうのかかり方が独立して置かれているのは、健康保険の対象になる場合の要件が決まっているためです。海外療養費は、海外で急な病気にかかって現地で治療を受けた場合の払い戻し制度です。
1.2 傷病手当金は「連続する3日間を含み4日以上」から
病気やケガで会社を休んだときの給付です。
協会けんぽによると、給付の対象になるのは4つの要件をすべて満たす場合です。業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること、仕事に就くことができないこと、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと、休業した期間について給与の支払いがないことです。
3日間の待期には、有給休暇や土日・祝日等の公休日も含まれます。給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。
また給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。
1.3 支給期間は通算して1年6か月
期間の数え方にも決まりがあります。
傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。1日あたりの額は、支給開始日以前の12か月間の標準報酬月額を平均した額を30分の1にし、その3分の2にあたる額です。
協会けんぽが示している例では、標準報酬月額が16万円の6か月と18万円の6か月の場合、平均は17万円、30分の1は5670円で、1日あたり支給額は3780円になります。
なお任意継続被保険者である期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません。
1.4 埋葬料は5万円、申請できる人で名前が変わる
亡くなったときの給付もあります。
被保険者・被扶養者が業務外の事由により亡くなった場合、埋葬料(費)が支給されます。亡くなった方と申請する方によって「埋葬料」「埋葬費」「家族埋葬料」に分かれます。
被保険者により生計を維持されていた方が申請すると埋葬料5万円です。生計維持関係にない「埋葬を行った方」が申請する場合は、埋葬料を申請できる方がいないときに限り、5万円の範囲内で実際に埋葬に要した費用が支給されます。被扶養者が亡くなったときは、被保険者の申請で家族埋葬料として5万円です。
ここでいう「生計を維持されていた方」は、生活費の一部でも維持されている方であればよく、民法上の親族や遺族であることは問われません。世帯主かどうかや同一世帯かどうかも問われません。
要件の当てはまりや必要書類は個別の事情で変わりますので、詳しくは加入している協会けんぽ支部にご確認ください。
なお、一人暮らしの住民税非課税ラインや、非課税が複数の制度の基準になっている理由に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。


