年金を受け取るには10年の加入期間が必要だと聞いて、自分は足りないと思っている方がいます。
日本年金機構によると、保険料を納付した期間と免除された期間だけでは10年に届かない場合でも、年金額には反映されないものの受給資格期間としてみなすことができる期間があります。これを合算対象期間といいます。
筆者は元自治体職員で、役場では国民健康保険と後期高齢者医療の保険料を担当していました。年金の記録については年金事務所を案内する立場でしたが、10年に届かないと思い込んでいる方は少なくありません。この記事では、どんな期間が数えられるのかを見ていきます。
- 受給資格期間には算入されるが、年金額には反映されない期間がある
- 昭和61年3月以前に会社員の配偶者だった期間で、任意加入しなかった期間などが該当する
- 多くの項目は20歳以上60歳未満の期間に限られる
1. 年金の加入が10年に届かない人を救済する「合算対象期間(カラ期間)」とは
まず、この仕組みが置かれた理由を確認します。
1.1 制度が変わってきた経緯がある
日本年金機構は、老齢基礎年金を受けるためには原則として保険料を納付した期間と免除された期間を合算して10年の年金加入期間が必要としています。
そのうえで、これまでの年金制度の変遷の中で国民年金に任意加入しなかったり、国民年金の被保険者の対象となっていなかったことなどにより10年を満たせない場合があるとしています。
合算対象期間は、そうした方も年金を受給できるようにするために設けられたものです。
1.2 年金額には反映されない
合算対象期間は受給資格期間としてみなされますが、年金額には反映されません。保険料を納付した期間と免除された期間に合算対象期間を加えた期間が10年以上あれば、老齢基礎年金の受給要件を満たすことになります。
受け取れるかどうかの判定に使われる期間であって、金額を増やす期間ではないということです。
2. 昔の「専業主婦」や「学生」は要確認!年金のカラ期間(合算対象期間)になる具体例
昭和の時代など、国民年金への加入が任意だった時期がある方は、その未加入期間が「合算対象期間(カラ期間)」として認められる可能性があります。代表的なケースを見ていきましょう。
2.1 会社員の配偶者だった期間
昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間のうち、厚生年金保険、船員保険および共済組合の加入者の配偶者で国民年金に任意加入しなかった期間が挙げられています。
この時期は、会社員の配偶者は国民年金への加入が任意でした。加入していなかった期間は保険料の記録が残りませんが、受給資格期間としては数えられます。
2.2 学生だった期間
同じ時期の学生であって国民年金に任意加入しなかった期間も該当します。ただし夜間制、通信制、各種学校は除かれます。
昭和61年4月1日以降については、平成3年3月までの学生であって国民年金に任意加入しなかった期間が挙げられており、こちらは夜間制、通信制を除き、年金法上に規定された各種学校を含むとされています。時期によって範囲が違います。
3. 年齢による限定がある
数えられる範囲にも決まりがあります。
3.1 多くは20歳以上60歳未満に限られる
日本年金機構が挙げている項目の多くには、20歳以上60歳未満の期間に限るという注記がついています。
一方で、第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満の期間または60歳以上の期間や、厚生年金保険、船員保険の被保険者および共済組合の組合員期間のうち20歳未満の期間または60歳以上の期間は、年齢の限定なく挙げられています。会社勤めをしていた期間については、20歳前や60歳以降も数えられるということです。
自分の記録は覚えているつもりでも、確認すると意外と漏れがあるものです。もらえないと決めてしまう前に、一度年金事務所等で確認しておく価値があります。
