キュレーターから読者に伝えたいポイント
2016年3月10日に欧州中央銀行(以下、ECB)、15日に日本銀行、そして16日(日本時間では17日)には米連邦準備制度理事会(以下、FRB)が連邦公開市場委員会(以下、FOMC)で、それぞれ金融政策のアップデートを行いました。
総じてハト派的(金融緩和継続方向)な内容であったことから、為替は円高方向へ向かったものの、株式市場にはポジティブに受け止められました。
いずれにせよ、「中央銀行には逆らうな」という投資格言があるぐらい、中央銀行の金融政策は、資産形成を目指す個人投資家にとっても重要な基礎情報です。以下の記事から、世界の金融情勢の全体感を掴んでいただければと思います。
ECB会見では追加利下げの打ち止め感が台頭
2016年3月10日、ECBはマイナス金利の拡大に加え、資産買い入れ規模の拡大や新たなターゲット型長期資金供給オペ(TLTRO)の実施などの包括的な追加金融緩和策を決定しました。
ただし、発表後、追加利下げの打ち止め観測が台頭したため、為替はユーロ高・円安方向に動きました。特に注目されるのは、今回の一連の政策が金融機関に配慮し信用市場の安定化に踏み込んだ内容となっていたことです。このため、欧州発の銀行株高が日米に波及しました。
出所:DIAMアセットマネジメント
出所:ピクテ投信投資顧問
日銀は現状維持だが、金融機関への配慮を示す
日本銀行は3月15日に金融政策決定会合の結果を発表。その内容は概ね現状維持となりましたが、新たにマネー・リザーブ・ファンド(MRF)をマイナス金利の適用から除外するなど、金融機関への配慮が示されていました。
この発表を受け、為替市場は円高方向へ、TOPIXは材料出尽くし感から反落しました。
出所:ピクテ投信投資顧問
出所:楽天証券
米FOMCも予想通り利上げなし、やや円高進む
3月16日(日本時間では17日午前3時)にはFRBがFOMCの結果を発表しました。事前の市場予想通り利上げはなく、年内の利上げ見通しについても下方修正されました。この発表でも為替は円高方向に進み、株価は日米ともに上昇しました。
出所:楽天証券
FRBの基礎について知りたい方は、こちらもご参考にしてください。
米FRBは利上げを続けられるのか? 3月17日2:30のイエレン議長発言に注目
出所:投信1
【2016年3月18日 投信1編集部】
■参考記事■
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LIMO編集部