獣医師・動物看護師の平均年収はいくら?国家資格化で注目の「給与とリアルな待遇」
命を救う動物医療の現場。知られざるお金事情と過半数が抱く不満の背景
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動物たちの病気やケガを治療したり、避妊・去勢手術などの医療措置を行ったりと、命の現場で活躍する「獣医師」や「動物看護師」。
動物たちの命と健康を守るために欠かせない存在ですが、その過酷な現場を支える彼ら・彼女らの「お金事情」はどうなっているのでしょうか。
今回は公的データをもとに、獣医師・動物看護師の平均年収や現場が抱える課題、そして今後の期待について詳しく解説します。
1. 獣医師の平均年収は680万円、動物看護師は351万円
厚生労働省が「令和7年 賃金構造基本統計調査」をもとに公表している就業者統計データによると、全国の獣医師および動物看護に従事する人の平均年収・平均年齢は以下の通りです。
【獣医師・動物看護の平均年収と平均年齢】
- 獣医師: 平均年収 680万5000円(平均年齢 38.7歳)
- 動物看護: 平均年収 351万9000円(平均年齢 38.0歳)
専門的な知見や高度な手術を行う獣医師は平均年収680万円を超えている一方、現場で診療補助やケアを幅広く担う動物看護の平均年収は350万円台にとどまっています。
2. 動物看護師の約半数が「給与に不満」を抱くリアル
命を直接預かる責任の重さやハードな業務内容に対して、給与や労務環境の整備が追いついていない側面があるのも実情です。
日本動物看護職協会が公表した「動物看護師の勤務実態に関するアンケート調査(2020年7月1日公表)」では、給与に対するリアルな本音が浮き彫りになっています。
【現在の給料に対する満足度】
- 満足: 7.8%
- 不満: 35.1%
- 非常に不満: 19.4%
「満足」と答えた人がわずか1割未満にとどまる一方で、「不満」「非常に不満」を合わせた割合は54.5%と過半数に達しています。多くのスタッフが業務の過酷さや貢献度に対して「十分な待遇を得られていない」と感じていることがわかります。
3. 「愛玩動物看護師」国家資格化で待遇改善なるか
こうした課題を抱える一方で、動物医療の現場では大きな変化も起きています。
2022年には「愛玩動物看護師」が国家資格化され、従来よりも幅広い診療補助行為が可能となるなど、現場における専門性と重要性は一段と高まりました。
ペットの家族化や保護動物活動の広がりにより、社会的ニーズはこれまで以上に増しています。命を救う現場を支える専門職の人々が安心して働き続けられるよう、今後の待遇改善や年収推移に大きな注目が集まっています。
4. 監修者コメント
私は証券アナリストとして人材や産業のデータを見てきましたが、職業の待遇は「平均年収」だけでなく「同じ現場のなかにある差」に目を向けると、実態が見えてきます。この記事が引く厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、獣医師の平均年収は680万5000円、動物看護師は351万9000円。年齢はどちらも約38歳と、ほぼ同世代です。
ここで注目したいのは、同じ年代でありながら両者の差がおよそ1.9倍にのぼる点です。専門性と資格の違いが、そのまま年収差として表れていると読めます。実際、日本動物看護職協会の調査では、給与に「不満」「非常に不満」と答えた方が合わせて54.5%と過半に達しています。ただ、2022年に「愛玩動物看護師」が国家資格化されたことは、担い手の専門性に裏づけを与え、参入のハードルを設ける動きでもあります。こうした資格化は、一般に中期的な待遇の下支え要因になりうると私は考えています。
これから業界を目指す方は、平均値だけで判断せず、勤務先の規模や資格の有無で条件がどう変わるかまで見ておくと、より納得感のある選択ができるのではないでしょうか。
泉田良輔(CMA)
参考資料
著者
困難な状況から救い出された動物たちの『奇跡の物語』や、種を超えた『絆のエピソード』を中心に、世界中の動物ニュースをお届けしています。
単なるハプニング・衝撃映像としてではなく、ひとつの大切な命が幸せをつかむまでの過程(ビフォーアフター)や、保護活動に携わる人々の想いに焦点を当てて紹介。読んだ後に温かい気持ちになれる、希望のストーリーを厳選して発信します。(最終更新日:2026/02/20)
※海外の動物保護団体や信頼できる情報を基に執筆しています。
監修者
株式会社モニクルリサーチ
代表取締役/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。その他に株式会社モニクル取締役COO、株式会社モニクルフィナンシャル取締役COOも務める。LIMO&ファイナンス編集長。東京科学大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(同研究科最優秀賞受賞)
1. 経歴
2013年に株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を原田慎司(現同社取締役)らとともに共同創業。2013年に個人投資家向け金融経済メディア「Longine(ロンジン)」を立ち上げ、編集長に就任。Longineの立ち上げの経緯はBloombergにおいて「体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南」として掲載され大きな反響を呼ぶ。投資情報のサブスクモデルを確立する。その後、株初心者向けネットメディア「株1」、2015年にはくらしとお金の経済メディア「LIMO」の前身となる「投信1」を立ち上げる。2026年6月に専門家と実務家が情報発信をする金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」を立ち上げ編集長に就任。
それ以前は、日本生命・国際投資部で外国株式ファンドマネージャー、フィデリティ投信・調査部や運用部にて10年に渡ってインターネット、電機(半導体・民生・産業エレクトロニクス)、機械(ロボットやセンサー企業中心)といったテクノロジーセクターの証券アナリストや中小型株ファンドのアシスタント・ポートフォリオ・マネージャー(最年少で就任)として従事。
2. 専門・研究領域
慶応義塾大学商学部卒業。国際金融及びコーポレート・ガバナンスを専攻。アジア通貨危機、昭和金融恐慌などの金融パニックのメカニズムを金融政策や金融機関への規制の観点から研究。それらの内容は「昭和金融恐慌からの教訓 平成恐慌になにをどう生かすべきか」(三田商学研究学生論文集)として発表。
3. 著書
・『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資』(ダイヤモンド社)
・『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』(クロスメディア・パブリッシング)
・『銀行はこれからどうなるのか』(クロスメディア・パブリッシング)
・『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』(KADOKAWA)
・『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)
4. 寄稿や講演他
「日経BizGate」での連載「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」や「現代ビジネス」、「東洋経済オンライン」、「プレジデント」などへの寄稿や対談も多数。対談記事例としては「【未来予想】ブロックチェーン革命が、「半沢直樹」の世界に終わりを告げる」や「【未来予想】アマゾンとビットコインが、次世代の「銀行」になる理由」(いずれもNewsPicks)、「米独に遅れる日本の自動運転、自動車も電機の二の舞に?」(週刊ダイヤモンド)。海外ジャーナリストからインタビューされることも多く、Financial TimesやThe Economist、Bloombergにおいて自動車や金融業界についての国内外産業動向コメントも発信している。
講演会や動画での情報発信も盛んに行っており、NewsPicksのTHE UPDATE、日経ビジネススクール、慶應丸の内キャンパス、慶應義塾SDM、アカデミーヒルズなどでも講義を行う。またNewsPicksのNewSchoolではプロジェクトリーダーとして「本当に初心者のための資産運用」を開催。
最終更新日:2026年6月26日