最初は、「これまでのスタンスをなるべく変えない」ことを目指してしていたのですが、うまくはいかず、さらに子どもと離れる時間を増やしたくないという思いも出てきて、産休明けから2年ほど試行錯誤した結果、従来のスタンスを見直しました。
「今の自分ができないこと」ではなく「今の自分ができること」に目を向け、今までの仕事を軸にしつつ、執筆する分野を広げ、編集者としての経験を生かせる仕事も探しました。そして数年たった今、充実した仕事ができる状況になっています。
もちろん、スタンスを変更した際に、周りの方々に協力していただけたことも大きかったです。このことによって、仕事に対する感謝の念を、より抱けるようになったと思っています。
仕事で関わる人たちに「子育て中である」ことをきちんと話す
上述のように、子育てしながらスムーズに仕事をするには、周りの方々の協力が不可欠です。だからこそ、無理をせず、子育て中であるときちんと話すことが、迷惑をかけることを最低限におさえるのではないか、と筆者は考えています。
なんでも「できます!」と手を挙げて、いざとなると子どもの事情でできなくなる……ということもあり得るので、欲張らないこと、そして感謝を忘れないことは、子育てしながら仕事をする上で、やっぱり大切だと思うのです。
最後に、何より子どもの存在は、代えがたい仕事のエネルギーになります。「17時までに保育園にお迎えに行けるように、がんばるぞ!」と思うと、ものすごい集中力で仕事ができますし、「この仕事が終わったら、子どもとどこに遊びに行こう?」と想像するのも楽しいものです。できる限り、育児しながら働くことをポジティブに捉えていきたいですね。
高橋 美穂