㈱ジェーシービー(JCB)が発表した『キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019』(対象:全国の20~69歳の男女1000名、期間:2019年3月8日~11日、方法:インターネット上アンケート)によると、「2018年の1年間に増やせた貯蓄額」について「0円」だったと回答した人は約40%に上りました。

同アンケートでは「新年度の目標」についても調査していますが、目標の1位になったのは約38%を占めた「貯蓄」でした。貯蓄を増やしたいと思っているのに、なかなか目標を達成できない人が少なくない実情がうかがえます。

お金が貯まる人と貯まらない人の違いは一体どこにあるのでしょうか。

お金を貯められる人がやっていること

お金が貯まらない人のなかには、「自分のどんな行動が貯蓄のネックになっているのか」がわからないというケースも少なくありません。

「家計の収支を洗い出す」「家計簿をつける」といった行動が貯蓄に役立つと知っていても、面倒に思って後回しにしてしまう人も多いでしょう。面白くないことや面倒なことは長続きしませんよね。そこで、貯蓄に対する考え方を根本的に変えてみませんか。

貯金のコツはズバリ「先取り貯金」です。コツコツ努力しなくてもお金が貯まる仕組みを導入するのが一番の近道です。お金を貯められる人の多くはこのシステムを上手に取り入れています。

まずはネット銀行に貯蓄用の口座を作りましょう。お給料をもらったら、すぐに一定額を貯蓄用口座に移してしまうのです。わざわざ自分で移さなくても、銀行が自動的に振り替えてくれるサービスもあります。ネット銀行なら、口座振替サービスを無料で利用できるケースがほとんどです。これを利用しない手はありません。

貯蓄用口座に入れたお金は初めからなかったものだと思って生活する習慣をつけましょう。精神論だけで節約をするのは簡単ではありませんが、強制的に収入から貯蓄分が天引きされれば「今月はどのくらいのお金で生活すればよいのか」がわかりやすくなります。

最初のうちはお金を貯蓄に回しすぎて失敗してしまうこともあるでしょう。「先取り貯金」が難しければ500円玉貯金でも良いのです。

金額にあまりこだわらずに、とにかく貯蓄を始めてみることが大切です。続けていくうちに自分にあった方法や金額がみえてきます。ペースがつかめれば、お金が増えていくこと自体が楽しくなってくるでしょう。

お金の使い方にメリハリをつける

そもそも、収入よりも支出が多いとお金は貯まりません。いくら年収が高くても、それ以上にお金を使えば貯蓄はできないのです。

使えるお金が限られているなら、「どこに使うべきなのか」を見極める必要があるでしょう。「自分にできることと、できないことがある」という事実を客観視できる人こそがお金が貯まる人だといえます。
とはいえ、諦めてばかりいては楽しくありませんよね。貯蓄の習慣を続けるには、お金の使い方にメリハリをつけるのがポイントといえます。「必要なものは買うが、無駄遣いはしない」が鉄則です。「むやみに節約しなければ」と思うだけではストレスになって長続きしません。

何か欲しいものが出てきたときは、すぐに買うのではなく一呼吸置きましょう。買い物を翌日に回すだけで、「よく考えたら買わなくてもいいかな」と思えることも多いものです。

「実にならない習い事や何も生まれない飲み会にお金を使うのはもったいない」と思えるようになれば、「お金が貯められる人」に一歩近づいたといえるかもしれませんね。

こんな失敗していませんか?

貯金に慣れてきた人でも、ついやってしまいがちな失敗があります。家にあるものを「ダブって買ってしまう」失敗と「お酒を飲んでいるときに無駄遣いしてしまう」失敗です。

「部屋が汚い人はお金が貯まらない」といわれることがあります。部屋が片付いていないと、必要なものを必要なときに探し出すのが難しくなりがちです。同じものに2倍のお金をかけるのはもったいないですよね。家が快適でないと外で過ごす時間が長くなって、無駄なものにお金を使うリスクが高まります。

お酒に酔っているときにネット通販で高額な買い物をして後悔する人も少なくありません。キャッシュレス決済はクリック1つで買い物ができて大変便利ですが、酔っていると気が大きくなって余計な買い物をしてしまうことも。

SMBCコンシューマーファイナンス㈱が2019年1月7日~9日の3日間、30~49歳の男女を対象に実施した『30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019』によると、お酒に酔って買い物で失敗した経験のある人が1割程度いるようです。失敗の平均額は5万7227円。「ついうっかり」では見過ごせない高額ですね。なかには、20万円以上の失敗をした人もいます。

お金に関心を持とう

お金を貯めたいなら、お金と真剣に向き合いましょう。「貯蓄を増やしたい」とばく然と思っているだけではお金はなかなか貯まりません。「まあ今回はいいか」が口癖になっている人もいるかもしれませんが、これは思考停止のサインです。「まあいいか」と思ったタイミングこそが、自分を変える好機なのかもしれません。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考】
家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)』総務省統計局
『キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019』JCB
『30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019』SMBCコンシューマーファイナンス

 

LIMO編集部