株式市場の振り返り-円高進行で続落。新興市場も利益確定売り

2016年3月8日(火)の東京株式市場は続落となり、日経平均株価は前日比▲0.7%の下落、TOPIXは▲1.0%の下落で引けています。東証マザーズ総合指数は▲1.8%の下落となりましました。総じて下落しましたが、新興市場は連騰の反動で利益確定の売りが入ったようです。

日経平均株価は、NY市場が小幅高で終わったこと、ECB理事会の結果を見極めたいとのスタンスが高まったこと、ドル円レートがやや円高に振れたことなどから、前日比▲21円安の16,889円で寄り付きました。その後は円高が進んだこと等により下落が続き、前場は▲276円安で引けました。

後場は、スタート直後から下げ幅を縮小する展開となりましたが、プラス転換となる場面は見られず、相場全体の活気不足を感じさせました。結局、日経平均株価の終値は前日比▲128円安の16,783円で引けています。

東証1部で上昇したのは380銘柄、値下がり1,470銘柄、変わらず93銘柄でした。東証1部の出来高は26億4,633万株、売買代金は2兆5,754億円(概算)となっています。売買代金ンは依然低調です。

セクター動向と主要銘柄の動き-2業種のみ上昇。メガバンク株が売られる

東証で上昇したのは2業種のみで31業種が下落しました。上昇率したのは、不動産業+0.5%、繊維業+0.2%でした。一方、下落したのは、非鉄金属▲2.6%、電気・ガス業▲2.4%、銀行業▲2.1%などでした。下落した業種は多かった分、極端に大きく下げた業種はなかったようです。

個別銘柄では、三菱地所(8802)などの不動産株が総じて買われた一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などのメガバンク株が売られた模様です。他には、コマツ(6301)、日立建機(6305)などの中国関連銘柄が値を上げました。また、ビットコイン関連銘柄のマネーパートナーズグループ(8732)は本日もストップ高をつけています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-引き続き内需セクターに注目、急騰が続く小型株に要注意

8日(火)の東京株式市場は、円高進行が主因で下落しましたが、他の要因として10日(木)に開催予定であるECB理事会への様子見があったようです。9日(水)の株式相場も様子見のスタンスが続くと思われます。

日本では、2015年10-12月期のGDP改定値が発表されましたが、株価への影響は特段見られませんでした。改定値は小幅上方修正(速報値比)となりましたが、注目度は高くなかったということでしょうか。

9日も材料不足の展開が続きそうです。様子見スタンスが一層強くなる可能性が高いと考え荒れます。引き続き、小売、不動産など、内需関連銘柄に注目したいと思います。

また、こういう材料不足の局面では、特定テーマに絡む小型株の急騰がよく見られる傾向があります。昨今は、フィンテック関連、及び、ビットコイン関連の銘柄で、明らかに異常な急騰が続く銘柄が散見されます。この類の小型株は、そろそろ手仕舞い時期を迎えても不思議ではありません。昔からある人気の高い玩具に「黒ひげ危機一発」があります。誰でも一度は、あのドキドキ感を経験したのではないでしょうか。急騰した小型株は、この玩具に例えると、そろそろ“海賊”が飛び出るタイミングです。あなたのナイフが最後の一刺しにならないよう、細心の注意を払いたいところです。

【2016年3月8日 投信1編集部】

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LIMO編集部