株式市場の振り返り-方向感なく反落。“1粒で2度おいしい”テーマは出て来るか?

2016年2月19日(金)の東京株式市場は反落となりました。日経平均株価は前日比▲1.4%下落、TOPIXも▲1.4%下落で引けています。また、東証ジャスダックインデックスも▲0.5%下落となりました。

日経平均株価は、OECD(経済協力開発機構)が世界経済見通しを引き下げたこと、それを受けてNY市場が下落したことなどから、売りが先行して前日比▲146円安の16,050円の反落で寄り付きました。その後、円ドルレートが112円台の円高水準になったことなどから、前場は下げ基調が続き、前日比▲360円安の15,836円で引けています。

後場も前日比▲300円超安い展開が続きました。特段目新しいニュースがない中、14時過ぎから値を戻す動きが見られましたが、前日比▲229円安の15,967円で引けています。終値でも16,000円台を割り込んでいます。全体的には、見送り感が広がったような印象です。

東証1部で上昇したのは380銘柄、値下がり1,471銘柄、変わらず88銘柄でした。東証1部の出来高は22億9,146万株、売買代金は2兆2,775億円(概算)となっています。本日も売買代金が3兆円を割っており、積極的な売買が控えられていると考えられます。

セクター動向と主要銘柄の動き―内需関連業種が上昇。石油関連銘柄、銀行株が売られる

東証33業種では4業種のみが上昇し、29業種が下落しました。上昇したセクターは、空運業+1.4%、陸運業+0.9%、不動産業+0.9%、電気・ガス業+0.0%のみでした。一方、大きく下落したのは鉱業▲8.7%、他に石油・石炭製品▲3.5%、銀行業▲3.0%などが下落しました。

個別銘柄では、ヤマトホールディングス(9064)、東京建物(8804)、東急急行電鉄(9005)、住友不動産(8830)などが買われました。一方、国際石油開発帝石(1605)が上場来安値をつけて大きく売られるなど、石油・資源関連株の弱さが目立ちました。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―G20を見据えた動き。二巡目になるテーマにも注目

今週は26日に上海(中国)で開催されるG20が最大の注目点になります。逆に言うと、それ以外に目立ったイベントや材料が見当たりません。このような時、2つのパターンが想定されます。1つ目は、G20開催まで様子見の姿勢が強まるパターンです。積極的な売り買いを控え、静かな相場になる可能性があります。もう1つは、目立った材料がないからこそ、普段はあまり注目されない材料(経済指標の発表など)に対して、過剰に反応するパターンです。先週の相場の動きを見ていると、前者のパターンになる気がしますが、やや注意しておくべきでしょう。

さて、そのG20に関しては、協調政策の発表に注目が集まっているようですが、果たしてどうでしょうか。仮に何らかの協調政策がアナウンスされても、どの程度、金融市場の下支え要因になるのか疑問が残ります。G20の成果に対して勝手に期待を高め、勝手に失望を予想するという“自作自演”が、相場を大きく動かす可能性はあるでしょう。

そうは言っても、日々何らかの材料を探すのが株式市場です。既に一巡したテーマであるフィンテック(FinTech)、マイナス金利導入などに二巡目の注目が集まるかもしれません。随分昔になりますが、グリコのお菓子(アーモンドキャラメル)に使われたキャッチコピー『1粒で2度おいしい』が大ヒットしました。フィンテックやマイナス金利が、同じように2度おいしいテーマになるのか注目です。まずは、金融セクターに注視したいと思います。

【2016年2月21日 投信1編集部】

■参考記事■

>>失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント

>>ネット証券会社徹底比較:株も投資信託も気になるあなたへ

LIMO編集部