4月は新年度がスタートし、年金の支給や制度の動きに注目が集まるタイミングです。
物価上昇が続くなか、「年金だけで生活できるのか」「少しでも収入を増やしたい」と感じている人も多いのではないでしょうか。
特に65歳以上で年金収入が中心の低年金世帯にとっては、4月15日に支給される「年金生活者支援給付金」が家計を支える重要な制度となります。
この給付は偶数月の年金に上乗せされる仕組みですが、対象条件や申請状況によっては受け取れないケースもあります。
本記事では、給付額や対象条件、申請方法を整理するとともに、60代・70代・80代の平均年金月額も一覧で紹介します。
「自分が対象かどうか」を確認し、取りこぼしを防ぐための参考にしてください。
1. 65歳以上・低年金世帯は対象?年金生活者支援給付金の条件
年金生活者支援給付金の受給対象となるのは、老齢・障害・遺族の各年金受給者のうち、前年の所得が基準額以下であるなど、一定の条件を満たす方です。
申請手続きは、日本年金機構から届く「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」を返送するだけで完了します。ただし、手続きを放置した期間の給付金は受け取ることができません。書類が届いたら、速やかに対応しましょう。
なお、65歳到達時や他の市区町村からの転入など、状況が変わった場合には改めて請求が必要になることがあります。「以前に手続きを済ませた」という方でも、引っ越しや年金の種類が変わった際は、改めて受給資格を確認しておくことが大切です。
2. 2026年度はいくら上乗せ?給付額の目安を確認
給付金の月額は物価の動向などに応じて毎年見直されます。2025年度の月額は以下のとおりです。
- 老齢年金生活者支援給付基準額:5450円
- 障害年金生活者支援給付金:1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金:5450円
2026年度については、厚生労働省の発表によれば前年度比で約3.2%の引き上げが見込まれており、月額は以下のとおりとなる予定です。
- 老齢年金生活者支援給付基準額:5620円
- 障害年金生活者支援給付金:1級7025円 / 2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金:5620円
老齢給付金ベースで月170円の増額となります。新しい金額は4月分から適用されますが、実際の振り込みは6月以降になる点は押さえておきましょう。
実際に、年金本体はいくら受け取れているのでしょうか。国民年金・厚生年金それぞれの年齢別平均受給額を確認していきましょう。
3. 自分の年金は平均と比べてどうか|国民年金の年代別一覧
国民年金は、自営業者や専業主婦(夫)など、すべての国民が加入する年金制度の基礎部分です。受給額は現役時代の納付期間によって異なり、40年間満額納付した場合の2025年度の満額は月6万9000円程度となっています。まずは年齢別の平均受給額から、実態を見ていきましょう。
3.1 【60歳代(60〜69歳)】国民年金の年金月額一覧表
- 60歳:4万5186円
- 61歳:4万6371円
- 62歳:4万7784円
- 63歳:4万7258円
- 64歳:4万7896円
- 65歳:6万1240円
- 66歳:6万1369円
- 67歳:6万1345円
- 68歳:6万1293円
- 69歳:6万978円
3.2 【70歳代(70〜79歳)】国民年金の年金月額一覧表
- 70歳:6万1011円
- 71歳:6万770円
- 72歳:6万234円
- 73歳:6万32円
- 74歳:5万9813円
- 75歳:5万9659円
- 76歳:5万9555円
- 77歳:5万9349円
- 78歳:5万9124円
- 79歳:5万8676円
3.3 【80歳代(80〜89歳)】国民年金の年金月額一覧表
- 80歳:5万8623円
- 81歳:5万8269円
- 82歳:5万8003円
- 83歳:5万7857円
- 84歳:5万9675円
- 85歳:5万9425円
- 86歳:5万9228円
- 87歳:5万9204円
- 88歳:5万8756円
- 89歳:5万8572円
国民年金は65歳から本格的な受給が始まり、65〜69歳では月額6万1000円前後で推移しています。
70歳代以降は年齢が上がるにつれて受給額が緩やかに下がる傾向にあり、80歳代では5万7000〜5万9000円台となっています。
4. 厚生年金はいくらもらえる?年代別の平均受給額を確認
次に、会社員や公務員が受け取る厚生年金の受給額を年齢別に見ていきます。
4.1 【60歳代(60〜69歳)】厚生年金の年金月額一覧表
- 60歳:9万9664円
- 61歳:10万4455円
- 62歳:10万9323円
- 63歳:6万8758円
- 64歳:8万3901円
- 65歳:14万9862円
- 66歳:15万2378円
- 67歳:15万2356円
- 68歳:15万2709円
- 69歳:15万1284円
4.2 【70歳代(70〜79歳)】厚生年金の年金月額一覧表
- 70歳:15万455円
- 71歳:14万8371円
- 72歳:14万6858円
- 73歳:14万5583円
- 74歳:14万7774円
- 75歳:15万1410円
- 76歳:15万1241円
- 77歳:15万962円
- 78歳:15万862円
- 79歳:15万3115円
4.3 【80歳代(80〜89歳)】厚生年金の年金月額一覧表
- 80歳:15万3729円
- 81歳:15万5460円
- 82歳:15万7744円
- 83歳:15万9994円
- 84歳:16万2555円
- 85歳:16万3947円
- 86歳:16万5577円
- 87歳:16万5557円
- 88歳:16万6200円
- 89歳:16万6767円
厚生年金は65歳以降で月額15万円前後となり、年齢が上がるとともに受給額も増加する傾向があります。80歳代では15万3000円台から16万6000円台へと右肩上がりに上昇しています。
現役時代の賃金水準が相対的に高く、長期間にわたって厚生年金に加入していた方が高齢層に多いことが、受給額を押し上げている要因とみられます。
5. 年金生活者支援給付金の対象・申請と平均年金額まとめ
年金生活者支援給付金は、65歳以上の低年金世帯などを対象に、偶数月の年金に上乗せして支給される重要な制度です。
2026年4月15日の支給タイミングは、新年度の家計を考えるうえでも重要な節目となります。対象となる場合でも、申請が必要なケースでは手続きをしていないと受け取れないため注意が必要です。
また、自分の年金額が平均と比べてどの水準にあるのかを把握することも、今後の生活設計に役立ちます。国民年金と厚生年金では受給額に差があり、年代によっても傾向が異なります。
4月の新年度スタートにあわせて制度と収入状況を整理し、「対象かどうか」「申請済みか」を確認しておきましょう。
早めのチェックが将来の安心につながります。
参考資料
柴田 充輝