有機EL材料首位の米UDC、19年見通しを上方修正

1~3月期の業績が前年比2倍と好調、LGなどの増産が寄与

生産面積の増加が売り上げ拡大につながる(写真はLGの有機ELテレビ)

 有機EL用燐光発光材料メーカーの米ユニバーサルディスプレイコーポレーション(UDC)は、2019年の通期売上高予想を期初見通しの3,25億~3.5億ドルから3.45億~3.65億ドルに引き上げた。1~3月期の業績が想定を上回ったため。同社は有機ELの生産能力が、インストールベースで19年末に17年末比で5割増加するとみている。有機EL業界では、現在のところ世界で唯一、テレビ用有機ELパネルを製造している韓国のLGディスプレーが7月から中国・広州に新工場を稼働させる予定であり、こうした生産面積の増加が牽引役になる。

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緑色発光材料が大きな伸び

 19年1~3月期の業績は、売上高が前年同期比2倍の8777万ドル、営業利益が同7.6倍の3436万ドルとなった。

 売上高8777万ドルのうち、発光材料の売上高は同2.2倍の5450万ドルと大きく伸びた。このうち、黄緑色を含む緑色発光材料の売上高は4160万ドル(前年同期は1710万ドル)、赤色発光材料の売上高は1280万ドル(同800万ドル)で、緑色発光材料の販売拡大が大きく寄与した。

 売上高8777万ドルに対する地域別構成は、韓国が70%の6150万ドル、中国が24%の2078万ドル、米国が306万ドル、日本が185万ドルだった。前年同期に対して韓国は約2倍、中国は2.3倍に増加しており、LGディスプレーのテレビ用パネル増産や、中国FPDメーカーのスマートフォン用パネル立ち上げなどが寄与したとみられる。

投資子会社を設立

 5月12~17日に米サンフランシスコで開催されたディスプレーの国際学会「SID」では、開発中の有機蒸気ジェット印刷技術「OVJP(Organic Vapor Jet Printing)」の成果を公表した。このほど整備したパイロットラインで、輝度1000ニットでLT95(初期発光強度が5%減少するまでの時間)が5万時間の緑色有機ELパネルを試作した。

 また、戦略的投資を実行する子会社「UDCベンチャーズ」を設立したことも明らかにした。有機EL、有機エレクトロニクス、ディスプレー、照明、材料科学などの関連分野に投資活動を行う予定。同社はかつて、有機材料や有機金属合成の研究開発や商業化に特化した開発業務受託機関(CRO)のAdesis(アデシス)を買収しており、事業シナジーを高めている。

 また、開発中である青色燐光発光材料については「カラーポイント、発光効率、寿命の3つに焦点を当てて開発しており、大きな進歩があるが、市場投入の時期はまだ明示できない」と述べるにとどまり、依然として商品化の明確な時期を示さなかった。

電子デバイス産業新聞 編集長 津村 明宏

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津村 明宏(電子デバイス産業新聞)

1995年3月 関西大学 経済学部卒。1999年3月 ㈱産業タイムズ社に入社。
電子デバイス業界の専門紙である電子デバイス産業新聞(旧・半導体産業新聞)の記者として、2007年より副編集長、2009年12月より編集長