株式市場の振り返り-日経平均株価は3日続落、“トランプ砲”の炸裂で一時▲360円超安
2019年5月31日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 20,601円(▲341円、▲1.6%) 大幅3日続落
- TOPIX 1,512.2(▲19.7、▲1.3%) 3日続落
- 東証マザーズ株価指数 904.1(▲0.4、▲0.04%) わずかに3日続落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:374、値下がり銘柄数:1,688、変わらず:78
- 値上がり業種数:1、値下がり業種数:32
- 年初来高値更新銘柄数:16、年初来安値更新銘柄数:197
東証1部の出来高は14億3,886万株、売買代金は2兆3,336億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。日本時間の朝方、米国トランプ大統領が自身のツイッターでメキシコへ追加関税を課すと発表したことが“トランプ砲”となり、貿易摩擦再燃や景気減速が一気に懸念されました。
さらに、週末と月末が重なったことによるポジション調整もあり、売りが優勢となったようです。ただ、売買代金は増えたものの、高水準とは言えない状況でした。
そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏で推移しました。寄り付きから安く始まり、前場の終盤には一時▲119円安まで下げ幅を縮小したもの、後場に入ってから再び下値を模索しました。
大引け直前には一時▲361円安まで下落し、結局は概ねそのまま3日続落で引けています。終値は2月8日(終値20,333円)以来となる安値水準でした。
なお、TOPIXも同じような値動きで3日続落となりましたが、下落率は日経平均株価よりやや小幅に収まりました。
東証マザーズ株価指数はわずかに3日続落、売買代金は4日連続で1,000億円超
東証マザーズの出来高は5,809万株、売買代金1,059億円となり、いずれも前日並み(わずかに増加)となりました。個人投資家の物色意欲がやや一服しましたが、売買代金は4日連続で1,000億円超を維持するなど、閑散相場という状況ではありませんでした。
また、株価指数もほぼ横ばいで終わり、大型株市場のような大幅下落は起きなかったようです。依然として900ポイント維持が怪しくなっていますが、今後も個人投資家による物色意欲回復の継続が大きな焦点になると思われます。
トランプ砲の直撃を受けたマツダなど自動車株が大幅安、みずほFGも下げ止まらず
個別銘柄では、“トランプ砲”の影響を受け多くの主力大型株が冴えない中、とりわけ、自動車株が総じて大幅安となりました。
特に、追加関税対象のメキシコに大きな生産拠点を有する銘柄の下落が著しく、マツダ(7261)が一時▲9%弱安の急落、日産自動車(7201)が一時▲5%超安の急落、ホンダ(7267)も一時▲4%超の大幅下落となりました。マツダとホンダは年初来安値を更新し、日野自動車(7205)、デンソー(6902)、住友ゴム工業(5110)なども年初来安値更新となっています。
また、小売株の下げもきつく、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、イオン(8267)、高島屋(8233)などが年初来安値を付け、ファーストリテイリング(9983)も大幅安となりました。
その他では、みずほフィナンシャルグループ(8411)が3日連続で年初来安値を更新し、塩野義製薬(4507)や大塚ホールディングス(4578)などの医薬品株の一角も連日の安値更新となったことが目を引きました。
一方、KDDI(9433)が連日で年初来高値を更新し(注:終値は下落)、楽天(4755)も大幅反発となりました。また、ハイテク株では村田製作所(6981)やローム(6963)が引き続き買い戻されましたが、限定的な動きだったようです。
新興市場(東証マザーズ)では、そーせいグループ(4565)が大幅3日続落となり、CYBERDYNE(7779)も大幅安となりました。一方、メルカリ(4385)が大幅高となり、ユーザベース(3966)は反発で引けています。
葛西 裕一