株式市場の振り返り-日経平均株価は続伸、売買代金は約1カ月ぶりの2兆円割れ
2019年5月20日(月)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,301円(+51円、+0.2%) 続伸
- TOPIX 1,554.9(+0.6、+0.04%) わずかに続伸
- 東証マザーズ株価指数 880.7(▲10.1、▲1.1%) 反落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:855、値下がり銘柄数:1,203、変わらず:82
- 値上がり業種数:21、値下がり業種数:12
- 年初来高値更新銘柄数:87、年初来安値更新銘柄数:89
東証1部の出来高は11億7,824万株、売買代金は1兆9,846億円(概算)となり、いずれも先週末より減少しました。朝方に1-3月期GDP(速報値)が発表されましたが、事前予想とあまりにも乖離が大きかったため、投資家に売買を手控えさせる一因になったと見られます。売買代金は4月23日以来の2兆円割れになるなど、厳しい薄商いでした。
そのような中、日経平均株価は終日プラス圏での推移となりました。GDP発表直後は一時+180円高まで買われましたが、その後は21,300~21,350円のレンジ内の動きが続きました。結局、最後は安値に近い終わり方でしたが、それでも続伸となっています。終値が21,300円台に乗せたのは6日ぶりでした。
なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、ほぼ横ばい(わずかな上昇)で終わりました。上昇率は日経平均株価を下回りましたが、薄商いの中、中小型株への買いは乏しかったと見られます。
東証マザーズ株価指数は反落、売買代金は連日の1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は5,313万株、売買代金924億円となり、いずれも先週末より減少しました。個人投資家の物色意欲が続かず、模様眺めムードが強まったようです。売買代金は連日で1,000億円を下回り、閑散相場ではなかったものの、直近ではかなり低水準の商いでした。
また、株価指数も反落となっています。今後も個人投資家の物色意欲回復が大きな焦点になるでしょう。
三菱地所が年初来高値を更新、村田製作所など“ファーウェイショック”の余震続く
個別銘柄では、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、ダイキン工業(6367)、テルモ(4543)などが大幅高となり、値を上げた花王(4452)は年初来高値を更新しました。
また、不動産株が大きく買われ、三菱地所(8802)が年初来高値更新となり、三井不動産(8801)と住友不動産(8830)も大幅上昇となっています。
その他では、自動車株でスズキ(7269)が一時+5%超高の急騰となり、ハイテク株でオリンパス(7733)が取引時間中に年初来高値を更新したのが目を引きました(オリンパスの終値は下落)。
一方、GDP速報値で設備投資が想定以上に弱かったことから機械株・設備投資関連株が下落し、安川電機(6506)やSMC(6273)などが急落し、ファナック(6954)やキーエンス(6861)も大幅安となりました。
また、先週勃発した“ファーウェイショック”の余震も収まらず、村田製作所(6981)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、太陽誘電(6976)などが大幅下落となり、アルプスアルパイン(6770)は年初来安値を更新しています。
その他では、日産自動車(7201)や三菱自動車(7211)など自動車株の一角が年初来安値を更新し、買い戻しが目立った金融株では唯一みずほフィナンシャルグループ(8411)だけが安値更新となりました。
新興市場(東証マザーズ)では、ブライトパス・バイオ(4594)が急反落となり、アンジェス(4563)やオンコリスバイオファーマ(4588)が大幅安となりました。一方、自律制御システム研究所(6232)がストップ高の大爆騰となっています。
葛西 裕一