5. 70歳代のリアルな生活実感:約9割が「ゆとりなし」と感じる背景
年金生活者支援給付金のようなサポート制度が重要視される背景には、シニア世代の厳しい家計事情もあるでしょう。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」より、70歳代世帯の家計の現状についての調査データを見ていきます。
5.1 70歳代世帯:家計の現状
年金でさほど不自由なく暮らせる
- 二人以上世帯:12.3%
- 単身世帯:12.3%
ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる
- 二人以上世帯:61.2%
- 単身世帯:52.2%
日常生活費程度もまかなうのが難しい
- 二人以上世帯:26.5%
- 単身世帯:35.5%
「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答した世帯を合わせると、二人以上世帯・単身世帯ともに87.7%となり、およそ9割の世帯が家計にゆとりがないと感じていることが分かります。
では、具体的にどのような要因が不安につながっているのでしょうか。
【ゆとりがない理由】 ※上記で「ゆとりがない」等と回答した世帯
- 物価上昇等により費用が増えていくとみているから(二人以上世帯:57.7% / 単身世帯:54.1%)
- 高齢者への医療費用の個人負担が増えるとみているから(二人以上世帯:30.0% / 単身世帯:22.6%)
- 高齢者への介護費用の個人負担が増えるとみているから(二人以上世帯:18.7% / 単身世帯:19.8%)
- 年金が支給される金額が切り下げられるとみているから(二人以上世帯:17.2% / 単身世帯:13.2%)
- 年金が支給される年齢が引き上げられるとみているから(二人以上世帯:6.5% / 単身世帯:4.8%)
- その他(二人以上世帯:16.0% / 単身世帯:24.0%)
このように、「物価上昇等により費用が増えていくとみているから」という理由が半数以上を占めています。日々の生活費の負担感や、今後の医療・介護・年金制度に対する不安が、シニア世代の家計を圧迫している現状がうかがえます。
だからこそ、今回ご紹介している「年金生活者支援給付金」のような制度をしっかり把握し、申請漏れを防ぐことが、老後の生活を守るための大切な一歩となるでしょう。
6. まとめにかえて
物価上昇などでシニア世代の家計負担が増す中、2026年度の「年金生活者支援給付金」は月額5620円(障害年金生活者支援給付金1級は7025円)に引き上げられ、貴重な収入源となります。
対象者には「緑の封筒」などで通知が届きますが、ご自身で申請手続きをしないと受け取れない点には注意が必要です(一度手続きすれば原則自動継続)。
ご自身の受給状況や郵便物を今一度確認し、申請漏れを防いで年金生活を守っていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和7年度版)」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 総務省「個人住民税」
マネー編集部社会保障班
