ランキングから読み解く投資家心理
2016年の株式市場は、日本だけではなく、米国や中国市場も含めて大荒れで始まりました。波乱の幕開けと言ってよいでしょう。
こうした市場の先行きが見通せない中では、投資家心理を読み解くことは非常に重要です。自分以外の投資家がどのように考えるかを理解することで、自分の投資戦略やスタンスを考えることができるからです。
“株式市場のことは株式市場に聞け”とよく言います。そこで今回はオンライン証券の投資信託の積立ランキングを見ていきます。
投資信託の積立とは、定期的に投資信託を購入するようにしたものです。投資信託を忘れずに購入する、またドルコスト平均法を実施するために、個人投資家にとっては便利なツールと言えるでしょう。
今回は、楽天証券における2015年12月26日から2016年1月1日までの期間の積立ランキングを見てみました。どのような投資信託が積立として施行されているか、またどのような購買傾向があるのか分析してみましょう。
人気ファンドから読み取れるのは?
まず、第1位はDIAMの「たわらノーロード 先進国株式」です。2015年12月に販売が開始されたばかりということもありますが、信託報酬の低さが受け入れられているのだと思います。
「たわらノーロード」シリーズは他にもランキング入りをしているファンドがあるのですが、先進国株式が最も人気というのは日本の個人投資家がグローバル株式に強気である一端が見えるのではないでしょうか。
第2位は、アストマックスの「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」です。こちらは様々な資産クラスに投資をした投資信託ですが、基本はインデックスファンドで世界的に有名なバンガードが設定するインデックス型の投資信託証券に投資を行っているものです。
株式が半分以上を占めますが、他にも債券やリートにも投資を行っています。こちらからも日本の個人投資家がグローバル資産に興味を持っていることがうかがえます。
第3位は、ニッセイの「ニッセイ日経225インデックスファンド」です。こちらは、日本株式を代表とする株式指数である日経225のインデックスファンドです。ニッセイは以前より積極的にインデックスファンド運用を展開しており、根強い人気があります。
ただし、インデックスファンドに関しては、様々な運用会社が個人投資家にとって魅力的な信託報酬を提案してきており、今後はその競争が激化していくでしょう。いずれにせよ、個人投資家にとってはうれしい投資環境の変化と言えます。
まとめますと、2016年の株式市場は日本のみならず、中国や米国も大荒れの幕開けとなりましたが、日本の個人投資家は引き続き、グローバル資産への投資に注目しており、良い時も悪い時も継続的に投資をする積立を利用しています。
2016年の個人投資家の投資信託のキーワードは、「グローバル資産」×「インデックスファンド」というポイントが注目されそうです。
LIMO編集部