また、お互いに働きながら家事と育児をしていたため、自分の時間が取れずにストレスが溜まったと言います。特に、旦那さんも若手ということで土日出勤を厭わずやっていた時期は大変だったとのこと。会社の規模や社員の年齢層にもよりますが、20代後半や30代前半はまだまだ下っ端として人が嫌がる仕事を振られることもありますよね。
このくらいの年代は、新人ほど右も左もわからないわけではないので使い勝手もよく、上司や先輩からさまざまな雑務を引き受けることも多いでしょう。そういう環境下で働く場合、家庭にも影響が出てきます。Aさんの旦那さんのように土日出勤を引き受けたり、雑務で残業が多くなり帰宅が深夜になったりするケースもあるでしょう。
こういうケースでは奥さんに家事と育児の負担がかかってしまい自分の時間が確保できず、一方で旦那さんは仕事に圧迫されて自分の時間を確保できず、お互いに不満が溜まるという悪循環が生まれてしまいます。Aさんの旦那さんはAさんが時短勤務期間中に、休職期間を挟まず転職に成功したからよかったものの、そういう働き方をしている会社では育児と家事の負担が余計に重く感じる可能性が高いですよね。
妻の昇給昇格が思うようにいかない
時短勤務の影響もあってか、なかなか昇給昇格の機会に恵まれなかったというAさん。本来であれば時短勤務は評価に関係なく、昇給昇格は可能だと聞いていたのだそう。しかし、同期の男性はみな昇格しているにもかかわらず、自分はそのままだったと言います。Aさんは時短勤務でありながら多くの成果を出しており、同期の中でも一目置かれるような存在でした。それなのに昇格できないことに不満もあり、会社への不信感が募ります。
元々時短勤務で思ったよりも収入が減り、保育料と子どもにかかるお金で精いっぱいだったのに、昇格もなかなか望めないとなると大変ですよね。上司に言ってみたものの、「次は上がれるんじゃないか」とはぐらかされてしまったのだそう。産休と育休で1年半のブランクがあるとはいえ、1年以上経過しても同期と同じ立場になれず、お給料も上がらない状況。それではツライですよね。
産休や育休、また時短勤務などがあって同期となかなか肩を並べられずに落胆したというAさん。仕事ぶりは評価しているという上司の言葉も信用できなくなり、一時は仕事をやめようと思ったとも言います。昇格はお給料にも関わってくることですし、家族が増えたら当然出費も増えるもの。昇給昇格が思うようにいかないと、その後の計画も狂ってしまいますよね。
Aさんは時短勤務をやめられる方法がないか探したそうですが、残業が多い会社のため、時短勤務をやめると保育園に迎えにいくことができなくなる可能性があるとして、今もまだ時短勤務を続けているそうです。
おわりに
いかがでしたか。若いうちはなかなか給料が上がらず、家族で生活していくには共働きが必須ともいえる時代になってしまいました。家族を持つにあたっては、どのような壁があるのか知ったうえで心の準備をしておいたほうがいいかもしれませんね。
大塚 ちえ