老後に必要な費用は、計画的に考えておくに越したことはありません。定年間近になって退職後の生活費の工面に悩むよりは、早いうちから老後について考え、少しずつでも貯蓄をしておくと安心です。今回は、老後の不安についての調査結果や、老後に必要な資金を今から貯めるのに役立つ方法についてご紹介します。
老後の生活に不安を感じる人は約8割
2018年11月に発表された「家計の金融行動に関する世論調査 [二人以上世帯調査]」(2018年、金融広報中央委員会)では、老後の生活への心配がどのくらいあるかを聞いています。それによると、老後の生活について「非常に心配」が36.2%、「多少心配」が43.0%と、合わせて約8割もの人が将来の生活について不安を感じていることがわかります。
また、これらの「心配である」としている世帯の約7割が、その理由として「年金や保険が十分ではないから」(72.6%)、「十分な金融資産がないから」(69.0%)と回答。次いで「現在の生活にゆとりがなく、老後に備えて準備(貯蓄など)していないから」「退職一時金が十分ではないから」などとなっています。
老後の生活費について早いうちから考えておこう
若いうちは、まだまだ働けるから貯金はしなくて良いと感じるかもしれませんが、それではいつまでたっても貯蓄ができず歳を重ねてしまう可能性があります。
近年では、定年を引き上げる会社もありますが、一般的に働く人の定年は60~65歳。2018年7月に厚生労働省の発表した、2017年時点の日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳ですから、定年後の生活は長いと考えた方が良いでしょう。
公的年金で全てをまかなえればいいですが、たいていは貯金などの蓄えを崩しながら生活することになるでしょう。もし、老後にこれまでできなかった旅行や趣味を存分に楽しみたいと考えている場合は、さらに多く貯蓄しておかないとお金が足りなくなるかもしれません。
では、老後資金を貯めるのに役立つ方法や制度にはどんなものがあるのでしょうか。