では平均値と中央値についてご説明した上で、改めて金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)」を基に、中央値を利用し世帯の金融資産について見てみましょう。

金融資産保有世帯の年代別金融商品保有額の平均値と中央値は?

(平均値はカッコ内に記載)

• 20代の中央値 250万円(370万円)
• 30代の中央値 500万円(810万円)
• 40代の中央値 800万円(1238万円)
• 50代の中央値 1186万円(1828万円)
• 60代の中央値 1500万円(2415万円)
• 70代の中央値 1500万円(2565万円)

よくみると40代から50代、60代にかけて貯蓄額が一気に増えているのがわかります。これは子育てでの出費がひと段落し、老後にむけて貯蓄額を増やそうと奮起している世帯が多いことを表している可能性があります。
しかしここでは、金融資産を保有していない世帯を含んでいない為、金融資産を保有しない世帯を含んだ場合、値がどの様になるかも見てみいきましょう。

金融資産を保有していない世帯を含む、年代別金融商品保有額の平均値と中央値

(平均値はカッコ内に記載)
• 20代の中央値 111万円(249万円)
• 30代の中央値 382万円(660万円)
• 40代の中央値 550万円(942万円)
• 50代の中央値 900万円(1481万円)
• 60代の中央値 1000万円(1849万円)
• 70代の中央値 700万円(1780万円)

その他、40歳代の金融資産非保有率は22.6%に対し、50歳代での金融資産非保有率は17.4%と金融資産非保有の割合が減少していることも資料の中では公開されています。しかし、60歳代以降の金融資産非保有率は、また20%以上となり約5分の1程度は金融資産を持たない世帯であることも今回のデータから読み取れる様になっています。

まとめ

今回は貯蓄額の平均値と中央値についてご紹介しました。昨今、格差社会が叫ばれていますが、平均値だけでなく中央値も活用してデータを見ることで、より現状に近い見え方が出来るようになります。世代別の貯蓄状況が分かったところでどのような資産形成をされていくのかを考えるきっかけになれば幸いです。

LIMO編集部