近年、若者を語る際に「タイパ(タイム・パフォーマンス)」という言葉が必ずと言っていいほど登場します。
「時間効率を最大化する」という考え方自体はもはや一般常識となり、多くの大人が若者特有の価値観として語りがちですが、実は当のZ世代は、この言葉をそれほど使っていません。
むしろZ世代にとって「時間を効率よく使う」ことは、もはや特別な価値観ではなく当たり前の前提になっているのです。
では、Z世代は実際にどのように時間を扱い、どこに時間を惜しまず投資しているのでしょうか。
調査データをもとに、そのリアル像を紐解いていきます。
1. 調査概要
- 調査期間:2024年8月
- 調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用
- 居住地:一都三県
- 年齢:15~24歳
- 対象:高校生・大学生・短大・専門学校生など学生
- 回答者数:461名(高校生229名/大学・短大・専門学生232名)
2. タイパ意識は当然のこと。74.6%が日常的に「タイパ」とは使わない
Z世代を始めとする最近の若者を語る際にキーワードとして網羅的に現れる「タイム・パフォーマンス(通称:タイパ)」。
簡単に言えば、「時間効率を最大化する取り組みを行うこと」を指します。
しかし、当該のZ世代にしてみれば、タイパ、はわざわざ口に出すほどのことではなく、当然の概念として根付いているようです。
2.1 「タイパ」という言葉を日常的によく使う
- とてもあてはまる:7.6%
- ややあてはまる:17.8%
- あまりあてはまらない:30.8%
- まったくあてはまらない:43.8%
2.2 効率的な時間の過ごし方をしたい
- とてもあてはまる:34.1%
- ややあてはまる:45.8%
- あまりあてはまらない:14.1%
- まったくあてはまらない:6.1%
2.3 自分が大切だと思う事柄には時間をかけたい
- とてもあてはまる:48.2%
- ややあてはまる:36.7%
- あまりあてはまらない:10.6%
- まったくあてはまらない:4.6%
「タイパ」という言葉は使わないが、時間効率化は前提として重視しているということがわかります。
また、Z世代の多くは「効率化は目的ではなく、自分の大切なことに時間を使うための手段である」という意識を持っています。
では、実際にZ世代はどのようにして、どの時間の効率化を図っているのでしょうか。
逆に、時間効率化を求めるZ世代が、時間を惜しまないことも見ていきましょう。
3. 「移動時間」「勉強・課題」を効率化・短縮したい一方で、「睡眠」「趣味」「推し活」は時間を惜しまない傾向に
3.1 効率化・短縮したいこと
- 移動時間:46.9%
- 勉強・課題:39.3%
- 食事(一人):24.3%
- 買い物:23.6%
- 仕事・アルバイト:23.6%
3.2 時間を惜しまないこと
- 睡眠:47.1%
- 趣味・習い事:34.7%
- 推し活:33.6%
- 食事(他人と):29.3%
- テーマパーク・観光:28.6%
では、効率化をするために、どのようなことを行っているのでしょうか。
3.3 時間を効率的に使うためにやっていること
- ながら○○:38.6%
- 移動時間にやることをすすめる:35.4%
- 移動時間の短縮(ルートの工夫、乗り換えの工夫):26.5%
- 倍速視聴:21.3%
- 念入りな情報収集の上での買い物:13.0%
- AI活用:10.0%
- ショート動画での情報収集:10.0%
- 作業効率化するための方法を検索する:8.7%
- 効率化アプリのDL:6.9%
- 当日の時短・スキマバイト:6.3%
- スマートデバイスの導入:0.7%
総じて、「削れるものは削り、空いた時間を楽しみに回す」という意思がくっきりと表れています。
次に、Z世代が「時間を惜しまないこと」の5位に入った旅行について、支出と人数の傾向を、観光庁の観光白書を基に見ていきましょう。
4. 旅行支出・旅行者数ともに国内旅行は年々増加傾向に。
年間で日本人の国内旅行者数、日本人の国内旅行支出は増加傾向にあるようです。
コロナが明けて移動に制限がなくなったこと、また、インバウンド流入によるホテル代や観光地価格の値上げなどが影響としてありそうです。
ただ、費用が上がっているとはいえ、同時に旅行者数も増えていることから、多くの日本人は、旅行にお金を使うという価値観は揺らいでいないようです。
最近では地元の人しか知らないような場所がSNSなどで取り上げられて、一気に人気になることもあるようです。
国内に行き尽くしたよ、という方も、地元の人々の生活導線をたどってみるなど、新たな楽しみが旅行にはあるのかもしれません。
5. おわりに
Z世代の「タイパ」意識は、言葉として使うかどうかではなく、「時間を大切なものに投資するための効率化」という、より本質的な姿勢として根づいています。
削るところは削り、使うところには惜しまず使う。
このメリハリこそが、Z世代の時間感覚の特徴と言えるでしょう。
参考資料
LIMO・U23編集部





