3. 年金額を増やせる「繰下げ受給」とは

公的年金には国民年金と厚生年金があります。どちらも原則65歳からの受給となりますが、これを遅らせることで、受給額を増やすことができます。

年金の繰下げ受給

年金の繰下げ受給

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

増加率は1ヶ月遅らせるごとに0.7%増え、1年間遅らせると8.4%になる計算です。

2022年4月以降は75歳(10年間)まで拡大されたので、最大で84%も受給額を増やすことができます。

3.1 【早見表】繰下げ増額率の一覧表

繰下げ増額率早見表

繰下げ増額率早見表

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

老齢基礎年金・老齢厚生年金それぞれについて増額され、増額は生涯続きます。

ちなみに、どちらか一方のみ繰下げすることも可能です。

繰下げ受給を希望する場合は、66歳以後で繰下げ受給を希望する時期に手続きを行う必要があります。

また手続きを行った時点で繰下げ増額率が決まりますので、手続きをする時期にご注意ください。

4. ねんきん定期便を見て受給額の目安をチェック

今回は、ねんきん定期便の見方や60歳以降も働くとどれくらい年金が増えるかを解説してきました。

2024年度の年金額は2.7%の増額改定となりましたが、物価上昇に追いついていないことから、実質的には目減りしていると考えられています。

年金に頼りすぎない老後を送るためにも、現役時代のうちから老後資産の準備を始めておきましょう。

老後に向けた資産準備には、私的年金を用意するほか、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用する方法もあります。

ご自身の考えに合わせたマネープランを計画してみてください。

参考資料

中本 智恵