2. 後半戦!関西弁の「早口言葉」&意味合いを解説

それでは引き続き、 残り2つの早口言葉と意味合いをみていきましょう。

2.1 「あんたあたしのことあんたあんたと言うけど、あたしもあんたのことあんたあんたと言わへんから、もうあんたもあたしのことあんたあんた言わんといてよ、あんた!」

関西弁で「あなた」を指す「あんた」を取り入れた早口言葉です。

〈【解説】早口言葉の意味合い〉

あんたあたしのことあんたあんたと言うけど、あたしもあんたのことあんたあんたと言わへんから、もうあんたもあたしのことあんたあんた言わんといてよ、あんた!

(あなた私のことを「あなた、あなた」と言うけど、私もあなたのことを「あなた、あなた」と言わないから、もうあなたも私のことを「あなた、あなた」と言わないでよ、あなた!)

「私もあなたのことを「あなた」と呼ばないから!」と言っているのに、最後に「あなた」と言っています。

この発言をしている人は、相手にずっと自分の名前ではなく「あなた」とばかり呼ばれています。不満が爆発してしまった「怒りの早口言葉」といえるでしょう。

2.2 さらのさら、さらしでさらさら巻けて言うたよな、サラ。割れたさらのさら、今さら、さらしで巻くて何さらしとんねん、サラ

最後は、関西弁で「新品」というニュアンスの「さら」やお皿の「さら」、効果音の「さらさら」、人の名前の「サラ」などを組み合わせた早口言葉です。

〈【解説】早口言葉の意味合い〉

さらのさら、さらしでさらさら巻けて言うたよな、サラ。
(新品の皿を、さらしでさらさらと巻いてって言ったよね、サラ。)

割れたさらのさら、今さら、さらしで巻くて何さらしとんねん、サラ
(割れた新品の皿を、今さら、さらしで巻くとか何をしているの、サラ)

「サラ」という人が怒られている様子が目に浮かぶ早口言葉です。言葉を細かく分け、イントネーションを切り替えることで言いやすくなるでしょう。

3. 地方出身者あるある?「共通語」で言いたいことを明確に表現できないジレンマ

地方から上京するなどして共通語で会話をすると、言いたいことをバシッと明確に表現できない「ジレンマ」を抱える人が一定数存在するようです。

たとえば宮城県の「いずい」や、主に中四国で使われる「むつこい」など、その言葉でしか表せない温度感やニュアンスを含む言葉が挙げられます。

「いずい」は「かゆい」とも「痛い」とも違う感覚、「むつこい」は「脂っこい」「しつこい」といった意味ですが共通語とはまた異なるニュアンスが含まれているため、なかなかしっくりくる形で伝えられないのです。

ほかにも富山県西部の「おいでる」「おってや」や長野県の「ごしたい」など、挙げればきりがありません。

共通語はその地域の方言を話す人しか感じ取れない独特のニュアンスを省き、誰でも差し支えなくコミュニケーションが取れるようにした言葉。

地方出身者が共通語だと言いたいことを明確に表現できないのは仕方のないことなのかもしれませんが、家族や同郷の人と話すなどスッキリする術があるとよいですね。

言葉だけでなく、様々な考え方にも地域性や県民性があらわれます。次の章からは、お金にまつわる県民性を確認していきましょう。