春ももうそこまで近づいているものの、暖かくなったり、寒さが戻ってきたりしています。年度末が近づくと、退職される方はセカンドキャリアを考える方もいるでしょう。

65歳になり本格的に年金を受給する方も、継続して働くかどうか悩ましいものです。

ただ、働きながら公的年金を受給すると年金額が調整(減額)される方もいらっしゃいます。

2024年4月から改定となる「在職老齢年金」について、考えていきたいと思います。

1. 公的年金を受給しながら働く選択肢

現在でも、公的年金を受給しながら働き、給与を受け取っている方は多くいます。

世間では人手不足にあることや、年金だけで暮らすことが出来ない、また今までの知識や技能を活かし働き続けたいなど、働く理由は様々です。

現在、公的年金は65歳から受給することが出来ますが、公的年金制度に10年以上加入し厚生年金(共済年金含む)に1年以上加入していた方は、65歳より前から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受給することができます。

これは、65歳から受給できる厚生年金にあたるもので、繰上げではありませんので、該当する年齢になると請求しましょう。

特別支給の老齢厚生年金を受給している方は、65歳になると改めて日本年金機構などから連絡が来ますので、65歳からもそのまま受給するか、繰り下げる(待機)かの選択ができます。

2024年では、65歳になる前に受給できる特別支給の老齢厚生年金を受給できる方は、以下の生年月日の老齢基礎年金を受給できる資格がある方で、1年以上厚生年金に加入している方です(一部抜粋)。

特別支給の老齢厚生年金を受給できる生年月日

特別支給の老齢厚生年金を受給できる生年月日

出所:日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢」をもとに筆者作成

報酬比例部分を受給しながら、または厚生年金を受給する場合に被用者年金(厚生年金)に加入する場合、年金が減額されることがあります。

厚生年金に加入しない場合(厚生年金保険料を支払わない働き方)は、年金の減額がありません。

つまり、社会保険(厚生年金)に加入しない場合の嘱託や自営業などの場合は調整されないということです。

2. 給与(賞与含む)と年金月額が一定額を超えると年金が減額される

給与(賞与含む)と年金月額が一定額を超えると、年金が減額されることになります。

せっかく働くのに減額されてしまうのであれば、働かない方が良いのではないか、と思うでしょう。

在職老齢年金といい、働きながら公的年金を受給する時に収入が一定額を超えると、公的年金が減額されます。

具体的には、賃金(賞与を含めた月収)と年金の合計額が支給停止調整額を超えると、減額されます。