3. 住宅ローン「50年」を利用する場合の注意点

50年の住宅ローンを利用すると、高額の借り入れをしても毎月の返済額を抑えられます。しかし、総返済額が高くなるといった、いくつかの注意点もあります。

3.1 誰もが借りられるわけではない

借入期間50年の住宅ローンの申し込み条件は、金融機関ごとに決められています。多くの場合、完済時に80歳未満であることが求められており、利用できるのは20歳代の人に限られるでしょう。

さらにフラット50では、取得する住宅が長期優良住宅という要件もあります、

3.2 60歳以降も返済が続く可能性が高い

20歳代で借入期間50年の住宅ローンを契約した場合でも、完済は70歳代となります。定年後も住宅ローンの返済が続く場合、収入が年金だけでは返済できないおそれもあるでしょう。

何歳まで働くか、繰り上げ返済をするかなど完済に向けた計画をしっかり立てる必要があります。

3.3 売却時に残債割れのリスクがある

返済期間の長い住宅ローンは、残債割れのリスクが高くなる点に注意が必要です。残債割れとは物件の売却代金がローンの残高を下回り、完済できなくなることです。

長期の住宅ローンの場合、返済中に住宅を売却しなければならなくなる可能性も考えておく必要があります。返済期間が長い場合、当初は利息の支払いで元本がなかなか減らないことを知っておきましょう。

このようなリスクを踏まえ、多少のゆとりのある返済計画を立てることが大切です。

4. 目先の返済額にとらわれず、長期の返済計画を考えましょう。

住宅ローンの返済期間が50年もあれば、手の届かなかったマイホームを購入できる人もいるでしょう。

しかし、長い返済期間中には、失業や病気などで返済が苦しくなるケースも考えられます。

一度購入したマイホームは元に戻せません。長期の返済計画とともに貯蓄に励み、不測の事態に備えましょう。

参考資料

松田 聡子