令和2年の国勢調査結果によると、おひとりさま世帯は年々増加中。2020年時点で、世帯全体の38.1%を占める結果となりました。
「定年退職」というゴールが徐々に近づく40歳代や50歳代の勤め人の中には、老後資金について考える機会が増える方も少なくないでしょう。
特に、独身者は老後の生活費をひとりでまかなえるよう、早くから資金準備に取り組む必要があります。
おひとりさまで老後生活を送ることになった場合、どのくらいの貯蓄をつくれば安心できるでしょうか。
今回は最新の意識調査と金融広報中央委員会の資料をもとに、40歳代・単身世帯の貯蓄額をみていきます。
1. 【最新】意識調査から読み解く、おひとりさまの金銭感覚
まずは、おひとりさまの金銭感覚をチェックしましょう。
キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービスを開発・運営する株式会社ライボの調査機関『Job総研』が、独身者のお金の使い道や価値観についての調査を実施しました。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:現在職を持つすべての社会人(20歳代~50歳代)
- アンケート母数:男女合計600名(全国)
- 実施日:2024年1月3日~1月9日
- 調査会社:株式会社ライボ
- リリース公開日:2024年1月29日
1.1 「不安がなくなる老後資金額」の中央値は2500万円
同調査の回答者全体の660人に「不安がなくなる老後資金」の金額を質問したところ、平均額は4040.3万円、中央値が2500万円、最頻値が2000万円という結果でした。
また、別の質問では全体の8割が老後資金に対して不安を抱いていることも明らかになりました。
「年金の受給」や「物価高による生活費増加」、「健康保険や医療費の増額」などへの不安が浮き彫りになった形とも捉えられるでしょう。
それでは、40歳代・独身世帯の実際の貯蓄額と割合の現状をみていきましょう。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/金融ライター
1996年生まれ。千葉県出身。早稲田大学文化構想学部在学中から、まだネガティブなイメージで語られることの多かった「独身女性」が、実際には豊かなくらしを謳歌する「おひとりさま」であると謳う女性サイト編集に従事。
大学卒業後、株式会社良品計画で東京都内店舗の運営・勤務を経て、ライターおよび編集者として活動。女性のライフスタイルや意識調査と、日本年金機構や総務省統計局「家計調査」など公的資料・統計を絡めた記事作成が得意。ビジネス誌『PRESIDENT』、日本経済新聞「xwoman doors」など、紙からウェブまで様々な媒体にて取材・執筆を重ねる。
現在は、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、最新データから読み解く財政事情や資産運用、厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金、貯蓄、NISAなどのテーマを中心に編集・執筆。趣味は散歩。(2024年4月10日更新)
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。群馬県出身。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
現在は株式会社ナビゲータープラットフォームが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは資産運用や老齢年金、貯蓄、NISA、iDeCo、キャリアなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児の母であり、趣味は執筆・読書、音楽鑑賞、写真、旅行。今の夢はYOASOBIのライブに行くこと。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年4月4日更新)。