歪みのある焼き物は、質が悪いと思われがちです。確かに、そういった製品の中には粗悪品もあるでしょう。

しかし、そうとは限りません。時代背景などによりゆがみが生じている可能性があります。大掃除などでお皿の整理を頼まれた際などは、意識してみるとよいかもしれません。

今回は、古伊万里と伊万里の話を中心に、壺やお皿に均一性がない理由を紹介します。

1. 歪んでいるのは製造技術の問題!?

出所:筆者作成

骨董品としての価値が高い品の中には、その時代の製造技術的な問題から歪みが発生している物もあります。例えば、江戸時代以前に造られた作品は、今とは製作現場の環境が大きく異なります。

昔は温度管理が難しく、温度にムラがあるため歪みのある作品が出来上がっていたというわけです。

また、本物職人が手作業で作り上げた作品は、その歪みが逆に唯一無二の芸術として評価されることさえあります。

均一に仕上げられた焼き物より、歪みのある作品のほうが価値のあるケースもあるのです。こうした理由から歪みがある作品でも高く売れる可能性が十分に考えられます。

ただし、前述した通り粗悪品であるがゆえに歪みのある作品もあります。見極めが非常に大切です。