2. 公的年金だけで生活費をカバーできる?

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貯蓄額が1000万円未満でも、公的年金だけで生活費をカバーできれば毎月の収支を黒字にすることも可能ですが、実際のところはどうなのでしょうか。

総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の二人世帯・単身世帯ともに、毎月約2万円強の赤字となっています。

毎月2万円の赤字が出ると年間では24万円になり、20年間では480万円に、30年間では720万円が不足する可能性があります。

ただし、これは毎月の生活費の話であり、ほかにも病気やけがで入院や療養のための医療費が必要になったり、介護が必要になったりすることも考えられるでしょう。

さらに、自宅をバリアフリーに改修する必要が出てくることや、自家用車の買い替え費用、子どもの結婚資金の援助などまとまった費用が発生する可能性もあります。

毎月の生活費の赤字を補填するだけであれば、1000万円の貯蓄を取り崩せば乗り切れるかもしれませんが、高額な費用の支払いまでは対応できないと考えられます。

3. 老後破産しないための4つの方法

老後の生活費に困らないための方法を4つご紹介します。今からでも対策がとれるものがあればぜひ取り入れてみてください。

3.1 65歳以降も働く

65歳以降も働くことで年金以外の収入を得ることが可能です。2023年4月1日からの「高年齢者雇用安定法の改正」により、企業に対し70歳までの定年の引上げや定年制の廃止などの措置をとることが推奨されています。

これまでのキャリアを活かした仕事だけでなく、新しい分野の仕事にチャレンジするのも良いかもしれませんね。