世帯主が65歳以上の世帯では、貯蓄現在高が2500万円以上の世帯が約3分の1を占めるという結果が出ています。
65歳以上の二人以上世帯は一定の資産形成を実現している方が多く、経済的な懸念を感じている人は少数派です。
一方で、できるだけ長い間ゆとりある生活を維持するためには、具体的な懸念がないうちから対策を施しておくとよいでしょう。
記事の後半では、65歳以上の老後生活を更に盤石なものにするポイントを紹介します。
65歳以上の貯蓄額の中央値・平均値
2022年時点で、世帯主が65歳以上(二人以上世帯)の貯蓄額の平均値は2414万円、貯蓄保有世帯※の中央値は1677万円です。
※ 貯蓄保有世帯の中央値とは、貯蓄「0」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高をいう
政府がゆとりある老後を過ごすために必要としている2000万円を超えている世帯は約43%です。
半数強は2000万円に達していないものの、貯蓄の取り崩しを始めている層が一定数いることを踏まえると、世帯全体で見れば一定の資産形成を達成した世帯が多いと推測されます。
一方で、約21%は貯蓄が500万円未満となっており、安定した生活を継続するうえでやや不安な資産額となっています。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年5月29日更新)