2023年9月27日、国税庁が「民間給与実態調査」を発表。民間企業で働く人が2022年の1年間に得た平均給与は458万円(前年比+2.7%)で2年連続増加したことが明らかになりました。

しかしながら、昨今の物価高騰により、給与アップを体感できている世帯はそう多くないと考えられます。

家計キャッシュフローが明るくない中で強い味方となるのが「貯蓄」ではないでしょうか。

今回は、年収はピークを迎えるものの住宅ローンや教育資金の負担が大きい、そして老後に向けての準備も本腰を入れたい、そんな40歳代・50歳代の貯蓄事情を二人以上世帯と単身世帯に分けて眺めていきます。

【40歳代・50歳代】二人以上世帯の貯蓄額の平均と中央値はいくら?

ではさっそく、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」より40歳代・50歳代の二人以上世帯の貯蓄額の平均と中央値を見てみましょう。

40歳代・二人以上世帯の貯蓄額《平均と中央値》

40歳代・二人以上世帯の貯蓄額:平均825万円・中央値250万円

  • 金融資産非保有:26.1%
  • 100万円未満:11.1%
  • 100万円~200万円未満:7.2%
  • 200万円~300万円未満:5.4%
  • 300万円~400万円未満:5.5%
  • 400万円~500万円未満:4.2%
  • 500万円~700万円未満:7.9%
  • 700万円~1000万円未満:7.3%
  • 1000万円~1500万円未満:7.4%
  • 1500万円~2000万円未満:3.8%
  • 2000万円~3000万円未満:5.2%
  • 3000万円以上:4.9%
  • 無回答:3.8%

50歳代・二人以上世帯の貯蓄額《平均と中央値》

つづいて50歳代・二人以上世帯の貯蓄額の平均と中央値を見ていきます。

50歳代・二人以上世帯の貯蓄額:平均1253万円・中央値350万円

  • 金融資産非保有:24.4%
  • 100万円未満:9.3%
  • 100万円~200万円未満:5.8%
  • 200万円~300万円未満:4.2%
  • 300万円~400万円未満:5.1%
  • 400万円~500万円未満:3.2%
  • 500万円~700万円未満:5.0%
  • 700万円~1000万円未満:5.7%
  • 1000万円~1500万円未満:8.8%
  • 1500万円~2000万円未満:6.0%
  • 2000万円~3000万円未満:7.2%
  • 3000万円以上:10.8%
  • 無回答:4.6%

40歳代、50歳代ともに平均と中央値が大きく乖離しています。

平均は大きな数値によって引き上げられているため、この場合はデータを小さい順に並べた時にちょうど真ん中に来る中央値を参考にしておきましょう。

40歳代は、【円グラフ1】のとおり中央値は250万円ですが、金融資産非保有、つまり「貯蓄ゼロ」世帯が26.1%。約4世帯に1世帯が貯蓄ゼロとなります。

50歳代は、中央値は350万円ですが【円グラフ2】のとおり、貯蓄ゼロ世帯は24.4%。こちらも約4世帯に1世帯が貯蓄ゼロという結果に。

では、単身世帯はどうでしょうか。