内閣府「令和4年版 少子化社会対策白書」によると、2020年時点の50歳時の未婚割合(45~49 歳の未婚率と 50~54 歳の未婚率の平均)は、「男性28.3%」「女性17.8%」でした。

1990年以降、右肩上がりで上昇する50歳時の未婚割合。今後も、上昇すると推測されています。

単身世帯、いわゆる「おひとりさま」は、長い老後生活に向けて一馬力で「貯蓄」をしていくことになります。

今回は、60歳代の「おひとりさま」にフォーカスして、「貯蓄額・負債額・年金額」からお金事情を覗いていきましょう。

60歳代を「おひとりさま」で迎える人が、老後に向けて何をすべきかを考えるきっかけにしてください。

1. 60歳代「おひとりさま」世帯の貯蓄額《中央値:300万円》

金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」より、60歳代「おひとりさま」世帯の貯蓄額を見ていきましょう。

1.1 60歳代「おひとりさま」世帯の貯蓄額(含、金融資産非保有世帯)

【60歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額】

平均:1388万円
中央値:300万円

  • 金融資産非保有:28.5%
  • 100万円未満:8.0%
  • 100万~200万円未満:5.7%
  • 200万~300万円未満:4.3%
  • 300万~400万円未満:3.6%
  • 400万~500万円未満:2.7%
  • 500万~700万円未満:6.2%
  • 700万~1000万円未満:4.6%
  • 1000万~1500万円未満:6.6%
  • 1500万~2000万円未満:3.6%
  • 2000万~3000万円未満:6.8%
  • 3000万円以上:16.9%
  • 無回答:2.5%

60歳代「おひとりさま」世帯の貯蓄額は、平均1388万円でした。しかし、上の円グラフを見ていただくとお分かりのとおり、貯蓄額がゼロの世帯と3000万円以上の世帯の割合が多く、実態からかけ離れているようです。

数値を小さい順、あるいは大きい順に並べた時にちょうど真ん中に位置する「中央値」は300万円でした。ここでは、より実態に近いとされる中央値を参考にしておきましょう。

60歳代のおひとりさまは「貯蓄ゼロ」でセカンドライフを迎えている方が多いようですね。

とはいえ、貯蓄額2000万円以上は27.3%、1000万円以上では33.9%と貯蓄事情は二極化していることも見て取れます。

近年は定年年齢を引き上げている企業も増えているため、貯蓄ゼロのおひとりさまの中には、これから退職金を受け取り、老後資金に充てるつもりという人もいるかもしれません。