電通グループの業績予想の修正

当上期業績が期初の想定を下回ったこと、および下期見込みを若干慎重に見直したことから、通期の目標は以下のように修正する。

  • オーガニック成長率を 2023年5月時点目標 の「1~2%」から 「0%~△2% (0%以下、マイナス 2%以上)」へ
  • オペレーティング・マージンを2023年2月時点目標「17.5%」から「17.0%」へ

営業利益を修正した主な要因は、調整後営業利益の下振れに加え、日本を除く APAC の、のれんの減損損失の計上による。

親会社の所有者に帰属する当期利益が、営業利益に比べて下方修正率が低いこと、および「親会社の所有者に帰属する調整後当期利益」および「基本的 1 株あたり調整後当期利益」を据え置く理由は、主に買収企業の新規連結と、5 月より開始したグループ内の資金提供方法の見直しによる「金融コストの適正化施策(40~50 億円規模の金融費用削減を予定)」の実施効果によるものである。

電通グループの配当

剰余金配当は、1株あたり、中間配当を前期比+8.25円の78.50円、期末配当を前期比▲6.5円の78.50円としている。通期では、1株あたり、前期比+1.75円の157円を予想する。配当予想の修正はない。

中間配当および年間配当は、ともに上場来の最高額となる予想である。

電通グループの株価

2023年12月期第2四半期連結決算の発表前となる、2023年8月14日の終値は4548円であった。

年初来高値は2023年5月15日の4960円である。

当2Q決算および業績予想の下方修正・株主還元策を受けて、2023年8月15日の終値は大幅に続落となり、前日比348円安の4200円となった。

著者注:株価情報を更新(2023年8月15日15:00)

参考資料

石川 貴康