株式会社電通グループ(4324)(以下「同社」という)が、2023年12月期第2四半期連結決算(対象期間:2023年1月1日~2023年6月30日)を発表した。

売上高を示す収益は前年同期比で増収となった。

しかしながら、営業利益および親会社の所有者に帰属する四半期純利益は大幅な減益となった。前年同期に多額の固定資産売却益を計上した反動に加えて、のれんの減損損失計上による影響が大きかった。

通期の業績予想も下方修正したが、株主還元策として配当性向を高める方向性であるため剰余金の配当予想は据え置いた。中間配当および年間配当は上場来最高額となる予想である。

電通グループの当第2四半期連結業績

調整後営業利益は、営業利益から、買収行為に関連する損益及び一時的要因(減損や固定し資産売却損益など)を排除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標としている。同社は、当該情報が財務諸表利用者にとって有用であると考えて、自主的に開示している。

また、同社が決算で用いている指標は以下のとおりである。

  • オペレーティング・マージン:売上総利益に対する営業利益の構成割合から、その企業の収益力を計るための指標)
  • オーガニック成長率:為替やM&Aの影響を除いた内部成長率

売上高を示す収益は前年同期比+4.6%の6033億円の増益であった。

しかしながら、営業利益は前年同期比▲67.9%、親会社の所有者に帰属する四半期純損益は前年同期比▲63.9%の大幅な減益となった。計上していたのれんの減損が影響した。

オーガニック成長率は、テクノロジー・金融セクターの顧客企業の投資抑制や、EMEAにおいて発生した一時的な財務影響により、グローバル全体では▲3.1%となった。調整後営業利益は上記要因に加え、日本における賞与引当方法の変更等により、前年同期比▲33.5%、オペレーティング・マージンは▲620 bpsとなった。