日本郵政の銀行業

銀行業は株式会社ゆうちょ銀行が担当している。そのため、株式会社ゆうちょ銀行の業績を見ていく。

売上高を示す連結粗利益は、前年同期比で▲1393億円の1893億円であった。資金利益の減収(前年同期比▲645億円)、外国為替売買損益、国債等債券損益などのその他業務利益の減収(前年同期比▲756億円)が影響した。

臨時損益は、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益増加により、前年同期比+1379億円であった。

以上より、経常利益は、前年同期比▲19億円の1184億円、四半期純利益は、前年同期比▲19億円の868億円であった。

日本郵政の生命保険業

生命保険業は株式会社かんぽ生命が担当している。そのため、株式会社かんぽ生命の業績を見ていく。

売上高を示す経常収益は、前年同期比▲151億円の1兆5937億円であった。保険料等収入の減収(前年同期比▲285億円)、責任準備金戻入額の減収(前年同期比▲713億円)が影響した。

経常利益は、前年同期比+297億円の432億円であった。保険金支払が前年同期比▲877億円となった一方、保有契約の減少および順ざやの減少により基礎利益が減少(前年同期比▲45億円)したが、キャピタル損益の改善(前年同期比+431億円)により増益となった。

以上より、四半期純利益は、前年同期比+94億円の210億円となった。

日本郵政の株主還元策

日本郵政の自己株式の取得

2023年5月15日、同社は自己株式の取得を取締役会決議で決定した。

取得株式には、日本政府が売却を予定している政府保有株も含まれる。

投資家による希薄化懸念を払拭するため、単元未満株式の買増し請求への対応のために必要な株式を除き、取得した自己株式は消却する方針である。

日本郵政の配当

剰余金配当は、1株あたり、中間配当を前期比+25円の25円、期末配当を前期比▲25円の25円としている。通期では、前期と同額の1株あたり50円を予想する。配当予想の修正はない。

日本郵政の株価

2024年3月期第1四半期連結決算の発表前となる、2023年8月10日の終値は1039円であった。

年初来高値は2023年3月10日の1268円である。

当1Q決算の発表を受けて、株価は続伸し、2023年8月15日の終値は前日比50円高の1084円となった。

著者注:株価情報を更新。「自己株式の取得」について追記(2023年8月15日15:00)。代表画像を差替(2023年8月21日18:40)

参考資料

石川 貴康