コロナ過から落ち着きを取り戻し、人の移動もかつての賑わいを取り戻しつつあります。

今年のお盆は旅行や帰省など色々な予定を立てている方が増えているようです。また、子供やお孫さんの帰省を心待ちにするシニア世代も多いでしょう。

楽しいイベントには何かとお金も入用になりますが、シニア世代の年金は3年ぶりに増額されており懐事情にも余裕があるのかもしれません。

増額となった年金ですが、年金からも天引きされるお金があることをご存知でしょうか?現役時代同様に、総支給と手取り額には差が出るため思っていたより少ないと感じる方も多いでしょう。

そこで今回は年金から天引きされるお金について、年金振込通書などを参考に確認していきます。

1. 国民年金と厚生年金とは?しくみを確認

日本の公的年金には「国民年金と厚生年金」があり、それぞれで保険料や受給額の水準が異なります。

最初に、日本の公的年金の仕組みについて確認しておきましょう。

上図のとおり、国民年金の上に厚生年金があることから、「2階建て構造」ともいわれます。どのように加入するのかは、現役時代の働き方によって異なります。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直し)※2023年度は月額1万6520円
  • 年金額:6万6250円(2023年度の67歳以下の月額)✕調整率(※)

※480カ月に未納期間がある場合は差し引かれます

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(毎月の給与や賞与などの報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料によって決定。国民年金に上乗せで支給

このように、20歳になると自動的に国民年金に加入となります。ただし、20歳の時点で厚生年金に加入している場合は、給与天引きにより国民年金部分を含む厚生年金保険料を納めます。

国民年金保険料が一律であるのに対し、厚生年金保険料は毎月の給与や賞与などの報酬に所定の適用率を乗じた金額を納めます。このため、収入によって保険料は異なります。

これらの要因から年金受給額も個人差があるため、老齢年金をどれくらい受給できるかは、毎年届く「ねんきん定期便」などで確認しておきましょう。