2. 老齢年金世代。何歳まで働く?

昨今、働くシニアが増えたという話をよく耳にします。では、実際どれくらいのシニアが定年後も働き続けているのか総務省の資料を参考に見ていきましょう。

内閣府が公表している「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によれば、65~69歳の就業率は2012年で37.1%。2022年には50.8%まで上昇しています。

働き続ける理由は、「社会との接点を持つため」、「スキルを活かして後進の育成にあたるため」、「老後の生活費に充てるため」など人それぞれです。

しかし、定年後も働き続けるためには心身が健康で、かつ長く活かせるスキルを身につけておくことが大事ですよね。
現役時代のいまから食事や資格習得、技術向上のために学び続けるといった前向きな姿勢も老後の生活に備えるための大切な準備かもしれません。

3. 老齢年金世代の年金の平均はいくら?

ここからは、今のシニア世代が実際に受け取っている老齢年金について見ていきます。厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で確認しましょう。

3.1 国民年金「みんなの年金月額」

  • 男女全体平均月額:5万6368円
  • 男性平均月額:5万9013円
  • 女性平均月額:5万4346円

3.2 厚生年金「みんなの年金月額」

  • 男女全体平均月額:14万3965円
  • 男性平均月額:16万3380円
  • 女性平均月額:10万4686円

上記データによると、特に厚生年金の受給額において男女間で平均年金月額やボリュームゾーンに大きな違いがある事が分かります。

なぜ性別によって年金月額の差がここまで大きいのでしょう。実はこの違い、国民年金と厚生年金の仕組みからくるものなのです。

国民年金の保険料は全員一律であるのに対し、厚生年金の保険料は収入に応じて決められた額を支払い、それが年金加入期間とともに老後の年金額に直結します。

つまり「長く働き、多く稼いだ人」の年金が多くなるという訳です。

女性は結婚や出産、育児などで男性に比べると働く期間が短くなったり、収入も男性に比べると少なくなりがちという特徴があります。

また、厚生年金については男女間での受給額の差だけでなく、個人間でも受給額に大きな差が生じています。

これは厚生年金が、現役時代の収入が高い人ほど将来受け取れる年金額も高くなりやすいという特徴があるためです。

そのため、老後資金の準備について計画を立てる時は、ネット等に乗っている「平均年金額」を参考にするのでなく、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」でご自身の年金見込額を確認しておく必要があるでしょう。