日本労働組合総連合会の発表によると、今年は春闘での正社員の賃上げ率が、30年ぶりの高水準となったようです。昨年から続く物価高が大きな要因の一つと考えられます。

同様に老後の年金についても、3年ぶりの増額支給となりました。年金は物価に影響を受けるため増額となりましたが、完全に連動するわけでは無いので十分ではありません。

年金だけで生活が苦しい場合には貯蓄など他の資産が重要ですが、実際のシニア世代はどのような懐事情なのか気になるところでしょう。

特に近年増えている単身世帯にとっては、自分で解決するしかない問題ですからしっかりと考えておきたい問題です。

そこで今回は、70歳代のおひとり世帯に焦点をあて、年金や貯蓄額の確認や老後にむけたポイントを解説していきます。

1. 高齢者「おひとりさま世帯」の割合は?

まずは、65歳以上の高齢者世帯のうち、ひとり世帯がどのくらいの割合なのかを厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」で確認します。

出所:厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」

2022年時点でひとり世帯(単身世帯)の割合は、31.8%と3割超になっています。

資料では一番左側の数字が単身世帯となっており、1986年から増加が続いていることが見て取れます。

一方で三世帯家族が減り続けており、この約40年の間で日本の世帯構造が大きく変化していることが確認できますね。

このまま少子高齢化が続くと、単身世帯の割合は更に増加していく可能性もあるでしょう。

2. 【70歳代の貯蓄】おひとりさまの平均と中央値はいくらか

続いて、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」から、70歳代の貯蓄額を「ひとり世帯」に絞って確認します。