厚生年金「平均が14万円」は誤解?意外と知らない年金制度の落とし穴
厚生年金で気をつけたい2つの誤解ポイント
slowmotiongli/istockphoto.com
5月になりました。今年のゴールデンウィークは最大10連休。連休中お金を使いすぎたという方もいらっしゃるかもしれませんね。
現役時代はお給料の増加や残業代、ボーナスなどもあり、ちょっと使いすぎても数ヶ月で元通りになることもありますが、そうはいかないのが老後です。
老後の収入の柱となるのが年金ですが、厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均額は約14万円。実はこの平均金額には国民年金の受給額を含んでおり、国民年金をプラスでもらえるわけではないのです。
今回は大手生命保険会社で勤務経験があり、老後資金の相談にも数多くのってきた筆者が、意外と知らない年金制度の落とし穴をお伝えしていきます。
【注目記事】【マイナンバーカード】マイナポイント第2弾が開始!第1弾でポイントをもらった人はどうなるか
日本の年金制度の仕組みをおさらい
日本の年金制度は「2階建て構造」といわれます。1階と2階部分それぞれの加入対象や保険料などの特徴をみていきましょう。
「1階部分」国民年金(基礎年金)
- 加入対象:日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人
- 保険料:定額制「保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率」2022年度の保険料は1万6590円です。
- 年金額:満額で「78万900円×改定率」2022年度の満額は6万4816円です。
20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば満額受け取れ、納付期間が足りない場合はその割合を満額から差し引かれます。
「2階部分」厚生年金
- 加入対象:公務員や会社員
- 保険料:報酬比例のためさまざま(報酬額によって決まる)
- 年金額:加入期間や納めた保険料によって決まる
執筆者
山口大学経済学部卒業後、老舗部品メーカーに入社。約2年の法人営業ののち、住友生命保険相互会社に転職。個人、法人顧客向けに生命保険の販売に約8年間従事。その間、抜群の行動力で優秀な成績を収め、2017年には所長職に任命。チーム運営や人材育成にも携わる。現在はIT金融ベンチャーで個人向け資産運用のサポート業務を行っている。FP2級、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)