相談者を追い詰める一部職員の非情な言動

こうした対応策は取られてはいるものの、実際に勇気を出して生活に困窮していることを相談した結果、職員から受けた非情な言動に衝撃を受けることもあるのです。以下、筆者の周囲で起きた2人の例を紹介します。

Aさん、40代女性・自営業・シングルマザーのケース

Aさんが資産税課に、固定資産税の納付を(このまま報酬が入らなかった場合)2か月ほど待ってほしいと電話で相談したところ、職員は勝手に分納相談に切り替えようとしたそうです。

そこで、「もしかしたら、支払えるかもしれないのでギリギリまで待ってから分納の相談がしたい」と申し出たところ、「できないことを言わないでもらえますか?」と、頭ごなしの回答。

その後は、こちらが話しかけても相手は受話器を置いているようで、呼びかけても反応がないばかりか、しばらくして「終わりました? で、どうします? 分納でいいですか?」と言われたそうです。

その対応にAさんは、毎日睡眠2~4時間程度で働き、外から見えない下着などは穴が空いても使い続け、それでも報われない今の状況に虚しさがこみあげ、死もチラついたと言います。

Aさんは自宅にローンが残っており、土地に他人の名義も入っていることから売ることが難しく、ローンがあるため生活保護も受けられず窮地に立たされているということでした。

Bさん、40代女性・フリーランスのケース

税金の分納の相談をしようと役所に電話をしたものの、何度電話しても話し中で、つながったのが16時半頃。

電話に出た職員は、最初はBさんの生活状況を細々と聞いてはチクチクと嫌味を言い、分納には応じられないと言っていたにもかかわらず、急に「じゃあ、分納でいいですわ」と態度が一変。

どうして分納がOKになったのかわからず事情を聞こうとすると、「もう17時なんで。どっちですか? 分納します? やめます? 用紙作らないといけないんでね」と、まくしたてるばかり。

分納にはしてもらったものの、その言い方と態度に悔しさがこみあげ、見返してやりたいと思う反面、生きる気力がふっと薄れるのを感じたと言います。