「教育費で燃え尽きていいのか?」

とはいえ、そんな「教育費一辺倒」な家計に最近疑問を持つようになったというMさん。一体どういうことなのでしょうか。

「夫も私も、親に大学まで出してもらって好きなことをさせてもらいました。だからこそ、子供たちにも同じように自由な進路を選ばせてあげたい。そう思って必死に貯金をしたり、子供が習いたいという習い事はすべてさせてきたつもりです。でも、私たちの頃に比べ明らかに『課金しなければならない』ポイントが増えているように感じているんです」

Mさんによると、中学受験や私立の高校といった選択肢は当時よりも増え、もし入ったとしても「学校がそのあと塾いらずですべて引き受けてくれていた自分たちの時代との違い、まだまだお金が必要ということを感じた」とのこと。私立の中学にいっても自分の付属校よりも上位校を目指すための塾、希望した偏差値の高い学校についていくために通う塾、そして身近になった学生時代の海外留学の費用など。「入学するまでにかかったお金、学費、そしてそれを維持するためのお金。教育費は限りがありません。だからこそ、これらをすべて賄うためにはほかの生活に支障がでる家庭も少なくないのでは」と感じているそう。

「子供たちには将来やりたいことをさせてあげたいという気持ちを多くの親が持っていると思うんです。ただ、それと同じくらい『やりたい仕事を見つけ、羽ばたいていった子供たちに世話をかけたくない』という気持ちもあるのでは?とも最近思うんです。今、私たちは子供の夢の実現のためにお金を工面しています。でもその結果、老後の貯金にまでお金が回らない。子供が夢を叶えた直後、もし私たちが病気をして働けなくなったり自立できない状況に陥ったら。今の状態では子供に助けを求めず自分たちだけで何とか乗り切る自信はありません」

自分たちの老後を自分たちで乗り切ることこそ子供のためではないか。Mさんはそんなことを考え始めているとのことです。