夫婦が希望すれば結婚前の姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓制度」。自民党内では議論が活発化しています。

今年11月22日に発表された市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」と早稲田大学法学部・棚村政行研究室との合同調査では、全国の20歳から59歳までの男女7000人のうち70.6%もの人が選択的夫婦別姓に賛成という結果でした。

女性の生きやすさが広がるとして大きな注目を集めている選択的夫婦別姓制度ですが、議論が盛り上がる中で気がかりな点があります。それは、「自分自身は夫婦同姓がいい」という立場を取った時に「男女平等を望まないの?」「夫の家に入るという古臭い考えなんだね」といった否定的な見方をされることです。

名字が変わる体験に感じる面白さ

選択的夫婦別姓について多くの人から指摘されている点は、結婚後のアイデンティティ喪失や手続きの煩雑さです。「改姓を強いられる女性ばかりが不都合を担っていて不平等だ」とする見方から、夫婦別姓を望む人は男女ともに少なくありません。これは経験した女性にしかわからない大変さや苦痛でしょう。

結婚前は旧姓で仕事をし、結婚後は夫の姓となって仕事をしている筆者。行政上の手続きはもちろんですが、結婚前後に転職したこともあって名刺もメールアドレスも新たに新しい姓で作り直しました。荒井由実を経て結婚後は松任谷由実として活動している「ユーミンスタイル」です。